アジングの時期が本格化してくる。立秋を迎えてから先、空気が肌寒くなり、海水温が25℃以下になるとアジが回遊し始める。サイズは豆アジから、地域によっては尺アジが狙えることもあるだろう。しかし大きさとは別に、アジには、群れごとの釣り分け方がある。そこがどんな場所かによって、立ち回りがかわるのだ。今回は都市近郊と、ネイティブな海でのアジングの違いを解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
都市部近郊のアジングについて
まずは都市近郊のアジング。「アーバンアジング」だ。たとえばYoutubeの動画を見ていると、多くの投稿者は都市近郊でアジングをしていない。これはプロも、そうでない釣り人も同じだ。ネイティブエリアのいわゆるアジが普通に釣れやすい場所に行って、釣りをするものである。
アーバンアジングはまた違ったクセがあり、てこずる。筆者は主に大阪湾奥のアングラーで、アーバンアジングが日常だ。
はっきりとしたプランクトンパターン
都市近郊のアジが食べるものは主にプランクトンだ。一般的に都市部の湾内にはベイトフィッシュが入りにくい。そして海に放出される生活排水の中にプランクトンが濃縮されている。よってアジたちはほとんど確実にプランクトンをメインベイトとする。通年このパターンはかわらない。
そのため、ワームの見せ方はプランクトンを模したものとなる。軽量リグをふわふわと漂わせる「ふわ釣り」や、超スローリトリーブなど。また堤防の壁際に魚が集まりやすいのもアーバンの特徴で、壁際の攻略がひとつのカギとなる。
居着きのアジも多い。その海域から出ないヤツらで、賢く、スレている。ただ秋には食いが立つので釣れやすい。居着きのアジの特徴は、体色が黄色っぽいことだ。うまくハマるやり方を見つけよう。
ネイティブな水域のアジング
ごく普通のアジングといえば、海水が澄んでいて、堤防際には藻があり、海底には凹凸があり……潮通しのいい場所でのアジングだろう。湾奥アングラーの筆者は勝手に「ネイティブエリア」という言い方をしているが、そういうきれいな海のアングラーのほうが多いはずだ。どちらかといえばアーバンアジング・アングラーのほうが少数派かもしれない。大阪でいえば、泉南あたりがネイティブエリアとなる。
ネイティブな水域では、アジの回遊に期待が持てる。しかし難しいのは、日中から夕マヅメに切り替わっていく最中のフグとベラという、歯がある雑魚たちだ。素材が丈夫なエラストマー系のワームを使うと保ちがよくなるので、常備しておこう。
基本はプランクトンパターン
沿岸のアジは基本的にプランクトンパターンで、リグを海中で「止める」ものだ。こうしてプランクトンの塊に見せてやり、バイトを待つ。
しかしネイティブな水域のアジングでは、小さな魚がアジのベイトとなることも多い。そのため、物感があるワームでのリトリーブや、時にはプラグも必要だ。
ネイティブエリアは抜けやすい
以上がアーバンアジングとネイティブエリアアジングの違いだ。筆者は主にアーバンアジング・アングラで、湾奥でのアジングの経験のほうが10倍多い。その感触からいうと、アーバンアジングとネイティブエリアアジングには、群れの動向にまた別の特徴がある。それは、ネイティブな水域では、アジは入りやすいが、「抜けやすい」というものだ。上げ潮で入ってきて、下げ潮で抜けていく。ちょっとした時間経過で、すぐに釣れなくなる。
アーバンアジングでは居着きの群れを特定しておけば、回遊の群れとは別に釣ることができる。どちらも魚が溜まる場所は、プランクトンが光合成増殖しやすい常夜灯下だ。そのようなポイントを複数チェックしていこう。
大型ゲストにご用心
大阪南港のようなチヌの聖地では、ライトゲームにはタモが欠かせない。個人的に筆者は釣り逃してもいいと思っているが、ジグ単の仕掛けは返してほしいので、必ずタモを持っていく。
そのような居着きの中大型魚でなくても、小さいワームを使うアジングにはいろんな魚がつく。大型ゲストの気配が濃厚な場所には、必ずタモを持っていこう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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