ボート釣りでは、天候の急変が大敵です。夏でも急な寒気や暴風雨に見舞われることがあり、体感温度が急激に下がるため、ダウンパーカーを常備しておくことが重要です。筆者の経験から、予期せぬ天候変化に備えるための防寒具や着替えの準備が、安全で快適な釣行につながることを解説します。海上での万全な備えが、安心と楽しさを守る秘訣です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
夏でもダウンパーカーはボートに常備
播磨灘でボート釣りも長きになりましたが、いつも怖いのは天候の急変。強風豪雨、霧等々と視界不良、風波で航行難渋となり神様の突然の何かを感じるような事態があります。
天候悪化になると、夏でも体感気温は急激に下がり、強雨で濡れれば寒さを感じます。だから、ボートの奥に夏でもダウンパーカーを入れています。
怖い思いで学ぶ自然の中の海
持って帰るのが面倒なわけではなく、これも用心だと以前に教わりました。長い間乗っていると、沖で予期できない寒気の暴風雨に会うことが何度かはあり、怖い思いの経験で学習をして、係留地一番の小心者になりました。
風波にビクともしない方がいらっしゃいますが、早いうちに怖い思いをした方が身の安全で、老婆心ながらです。
西の空に予報にない黒い雲が湧きあがり、向かって来るのを見ることがあります。方向を見定めて退散の準備をすることもあります。風も波も弱いうちに帰港できればよしですが、最低限陸地に近づくことが、肝要です。
また、ふと気づくと霧に音もなく囲まれることがあります。これは、灯火全灯照明で風下に逃げます。早いうちならば、風下に逃げれば視界を回復できます。霧の中を全力で何も見えずに走る輩がいますが、一番危険な馬鹿者です。天気予報だけでは、無理な世界です。
夏にダウンパーカーを着た
真夏のある日。豪雨の襲来でとんでもない風になり、タックルを片付けている間にびしょ濡れになり、視界は悪いし、風と波で翻弄されるしで、必死に操船して帰港したことがありました。
操船中は、緊張で感じなかったものが、岸に近づき安心エリアに入り一息入れると身体が寒く感じ、濡れたシャツが冷たくなっています。思い出したようにダウンパーカーを着て、その暖かさにホッとしたことを覚えています。
天候の急変は、寒気の塊が襲来することで生じますが、結構細かい時間単位の海の予報でも、表現ができないような思いがけない天候急変に気温低下が、海上では起きます。雷様がへそを取るという理論です。
もう古い安物ですが、海では万が一があり、備えあれば憂いなしなのか、こういうことなんだと、先輩の教えをありがたく思いました。
パーカー以外にもあると救われるもの
ボートで役に立つではなく、ショアも突然の前線襲来の気温低下の豪雨も同様です。雨具だけでなくダウンパーカーが車のどこか隅っこにあればです。
おんぼろになった古いダウンをボートに積んでいます。薄いのと分厚いのと2着あります。真冬は、防寒に着て釣りで少々汚れても気にならないお古です。それを夏でもそのままに積んで、標準装備です。ガサばらずに小さくできるのもダウンの特徴ですから、都合が良い代物です。
それが、次第に薄汚れてきて、薄手はは自分で洗濯して、分厚いのは季節外れのセールのクリーニングに出しました。ともに、きれいになりボートのキャビンにそのまま積んでいます。随分と長持ちします。
それにもうひとつ、Tシャツとパンツと靴下、捨てる一歩手前のボロを常備。意外に役立ち、濡れた時に着替えると救われるようなことがあります。寒いのは危険ですし、濡れたら気持ち悪いし、法定備品ではないですが、夏の汗かきの着替え以外に、これらもボートとクルマにあると役に立ちます。
古い先輩諸氏は、ある意味の小心者が多く、ノウハウを経験から培っています。口に出さなくても怖い思いをされたことが礎になられているようですし、私もそういう年になってきたようです。
<丸山明/TSURINEWSライター>