3月も下旬になると寒の戻りがあるとはいえだいぶ暖かくなる。そして桜が咲き始めると、いよいよあのシーズンがやって来る。そう、ハクパターンだ。ハクとはボラの幼魚で、1~3センチ前後のピカピカの小魚だ。浅い河川などでは岸辺を埋め尽くすほど群れる場合もある。当然、産卵後のシーバスや産卵に関係ない中・小型のシーバスにはまたとないごちそうだ。しかし、釣るのが非常に難しい。ハマれば大釣りもあるが、全くのボウズもあるのがこの季節だ。では、その難しいハクパターンを効率よく釣るにはどうしたらいいのか?あくまで筆者のやり方だが少し紹介してみよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)
ハクパターンとは?
春先になると多くのシーバスは産卵を終えて河川に戻って来る。そこでバチやハクなど遊泳力のないベイトを食べるのだが、その中でもハクは大量にいるのでこれに付くことが多い。特に流れのない浅い場所では逃げ場を失ったハクが昼間からシーバスに追われていることも少なくない。つまり食べやすい地形や条件が揃うと、一気にシーバスとの遭遇率が上がるのがハクパターンだ。
一方、ハクが少ない場所や、的外れなルアーを投げたりすると1日疲れて帰ることになるし、群れが大きいとルアーに見向きもしないこともある。はっきり言ってバチ抜けよりも数段難しい。
この時期は、釣れるポイント(場所)と適切なルアー、そして何より忘れはいけないのが、「レンジ」だ。
レンジの重要性と有効なルアー
基本的な考え方は、魚が泳ぐレンジと捕食するレンジは違うということだ。ハクが水面で群れていてもシーバスが捕食しているのは実はボトム付近だった、なんてこともある。
次に有効なルアーだが、やはり小型のミノーを中心に、水面のウェイク系やバイブレーションなどを使っても面白い。そこからレンジを意識してこれらのルアーをローテーションして行くのだが、これが最大の難関と言ってもいい。
簡単な方法として、水面でボイルがあればウェイク系。静かな水面ならば、ミノーやバイブレーションでレンジを刻むやり方が良いが、他の季節よりもかなりシビアだ。それこそ数cm単位で考えないと釣れないこともある。
マッチ・ザ・ベイトは必要ない?
ベイトのサイズで考えればやはり小さいルアーを使うのがセオリーになるのだが、やみくもに小さいルアーを投げても釣れない。それはなぜか?レンジが合っていないからだ。
逆に言えば、レンジさえ合っていれば少々ルアーのサイズが合っていなくても問題ない。こうなると、もはやマッチ・ザ・ベイトにこだわる必要もなくなるが、そうは言っても小さいルアーを使う方が無難だ。つまり、小さいルアーでレンジをピタリと合わせることができれば、釣れる確率が上がるということだ。
ポイントを見極めることも
そして最後はポイントの見極めだ。河川ならば比較的どこでもハクは見つかるが、浅い場所ほど飛距離もいらないし、シーバスの目の前にルアーを持って来やすい。特に潮が引くと干上がるようなポイントは、レンジを考えなくても釣ることができるのでおすすめだ。
シーバスは活性が上がるとこういった信じられないくらい浅い場所へも入るので、覚えておくと自分だけのポイントを発見できる。
春は釣りが難しくなる反面、ウデを磨くには最適のシーズンだ。ぜひ、楽しみながらこの難解なハクパターンを攻略してみてはいかがだろうか。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>