タチウオのルアーゲームでは、ルアー(疑似餌)と言いながら、一部生エサに近いものを使用する。テンヤという仕掛けを使い、そこにワームをセットしたり、まさしく生エサを付けたりするのだ。タチウオが渋いときや、完全にエサに着いているときにはこれしかない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
タチウオ釣り用「ニオイつきワーム」
ルアータチウオゲームに使うワームは、基本的にワインド用のピンテール、巻き用のシャッドテールだ。これらのワームには通常ニオイはついていない。蓄光させて、シルエットと波動でタチウオを誘う。
しかしタチウオの群れはその日の気分で、そもそもメタルジグもミノーもワームも含めルアーにはまったく食ってこないことがある。それも、よくある。そもそも生エサと比べるとルアーは反応が鈍いし、釣れる時間も短い。確実に釣果を上げるには生エサを用いた方がいいのだが、手返しが良いという点でルアーは使いやすいわけだ。
では、タチウオの反応をなるべく生エサに近づけるためには、どうするか?それが「ニオイつきワーム」という、「ハーフ生エサ」である。
装着はテンヤに
タチウオ用のニオイつきワームは各メーカーから販売されている。極端に大きくも小さくもなければ、まあなんでもいいだろう(くれぐれもライトゲーム用や小魚用と間違えないように)。タチウオ用の平均サイズといえば、95mm~120mmくらいだ。
ニオイつきワームは、タチウオワインドのジグヘッドには装着できない。「テンヤ」というものを使う。ジグヘッドの軸の部分にワームを挿すための棘のようなものがあり、針先が下を向いているものだ。
この棘(他に言い方はないものだろうか……)にワームを刺し、さらにワームを固定するために針金をぐるぐる巻きにする。
アクション
続けて、ニオイつきワームのアクションについて。
まずは、UVライトの光を当ててヘッドの部分を蓄光させる(多くのテンヤは、ヘッド部分が蓄光するようになっている)。ワームをセットしたら、キャスト。あとは、ただ巻き。
レンジと巻きスピードを意識しながら、レンジがずれすぎないように、ただ巻き。多少なりタチウオに食い気があればアタックしてくる。
テンヤに装着したニオイつきワームは、小魚の動きをイミテートするものである。よって余計なアクションを加える必要はない。まあ、時折軽くちょんちょんと動かしたり、ゆっくりと上下に動かすようにジャーキングするのは有効だ。魚が逃げる動きを演出したい。
なるべく蓄光するタイプを
タチウオに用いるニオイつきワームは、蓄光できるタイプが良い。タチウオは視力が良くないようで、夜になるとルアーの動きが追えなくなる。そこでニオイつきワームではそれこそニオイによってアピールするのだが、光によって視覚的な効果も与えてやりたい。
キビナゴなども用意
これをしてしまうともはやルアーゲームではなくなるが、タチウオが完全に生エサについてしまっていたり、はっきりとルアーを見切ってくる状況では、生エサしかない。タチウオが何よりも好むものといえばキビナゴで、最初からワームのワインドや巻きには食ってこないとわかっているなら、エサを用意しておいた方がいいだろう。
キビナゴやウルメイワシなど、タチウオは小魚のシルエットを外さない限りなんでも食ってくる。それこそ時合い前にジグサビキなんかで釣った豆アジでもよい(夏のタチウオのベイトはほとんど豆アジではないだろうか?)。
エサ屋さんで買うとキビナゴなんかはそこそこ高いが、業務スーパーで買うと300円でたんまり入っていたりするので、調達して凍らせておくと重宝する。ちなみに、スーパーで売られているキビナゴは、しっかりと塩もみしておくとエサ持ちがよくなるそうだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>