いまや兄貴分の亀山湖を差しおき「夏に50cm超を狙うならあそこだろう」と言わしめる釣り場がある。それは千葉県君津市にある片倉ダムだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
片倉ダムの概況
直近でもゴーマルがポツポツだが顔を見せており、連日大型ファンが足しげく通っている。日並みの差もあるが、通ってこそ釣れる確率も上がる。暑い日が続いているが、舟上であれば暑さも多少は和らぐので挑戦してみてはいかがだろうか。
今期もポツポツだが、50上が日並みで釣れている。毎日出るわけではなく一日おきとか、そのようなペース。しかし出れば腹パンが多く、いかつい見事な魚体だ。
誰もがそのうちの一人になりたいと出舟するのだが、大方はオデコで終わる。しかしそれに懲りずに通い続ければ、いつかは順番が回ってくるかもしれない。
雨が降らないため、直近では6~8時間に1cmのペースで水位は下がり続けている。舟宿の公式発表によると7月20日8時の時点の水位は満水から24cm減水。原稿執筆時点(24日)では、さらに減水が進むだろう。
この程度の減水なら、まだ上流部(小坪井沢や黒滝)の釣りは可能性があるが、大幅に減ると難しい。1週間前なら小坪井沢で49cm台が数枚出ていたが、直近ではほぼオデコ。釣果が出ているのは、本湖またはトンネル北周辺などの水深があるエリアに限られているのが現状だ。
ポイント
水位を考慮すると上流部は除外。ヅウタ橋上下流、宮の下対岸、親水公園前、本湖岬、中島岬、旧道トンネル北、衛士橋上下流などが狙いめ。
モジリを探して入るのが理想だが直近では朝イチのモジリがなく、エサ打ちをしているとモジリが出るので始末が悪い。情報があるならいいが、ないなら舟宿スタッフにどこが釣れているか聞くといいだろう。
釣り方とエサ
硬いエサは反応がよくない。理想は極軟で糸を引くようにバラけ、それでもしっかりと芯残りする。タナは深くても2本で時には1本以内。竿は13~21尺で大半は15尺以上。
エサが硬ければハリが小さめでも竿が長めでもエサは振れる。しかし、それでは釣れない。極軟タッチを中・長竿でタナ1本に送り込むとなると、それなりの工夫が必要になる。以下は代表例。
(1)大バリ。軟エサを小バリで持たせるのは、強いネバリがない限りまず不可能。しかしネバリ過ぎは魚が興味を示さない。となれば、必然的にハリは18号以上が必要。
(2)大バリとなればエサも大きくなり、それを沈没せずに支えられるトップが付いたウキも必要。ウキに合ったエサを作るのではなく、エサに合ったウキを使うのがここでは大前提だ。
(3)立ち上がって振り込む。大バリ&大エサとなれば質量も相当なもの。これを仮に18尺竿でタナ1本に送り込むことを想像してほしい。対策なしではおそらく毎投、エサが水面をなめてしまうか振り込み時にエサがハリからすっぽ抜けてしまうのがオチだろう。
だが立ち上がって振り込めば、それも可能になる。それにはあぐら式の釣り台は不向き。またぎ式を使い、脚を長くして座面を高めにする。さらに幅広10ft艇もしくは14ft艇なら舟が安定する。片倉ダムで大型を釣っている常連の多くはこの方式であり、いかに軟エサをタナに届けるかを常に考え創意工夫を凝らしている。
肝心のエサだが、これは人によって千差万別。マッシュが持つ自然のネバリだけを使う人、増粘材(粘力など)やカルネバなどネバる麩系エサを併用する人、グルテンをブレンドする人などさまざまだ。いずれにしても軟タッチであり、硬ボソを使う人はほぼ皆無と言ってもいいだろう。
軟タッチなら何でもいいのか?
大切なのはエサがしっかし芯残りすること。割れ落ちすることなく、表面から徐々に崩れても最後はハリのフトコロにエサ玉がしっかり残る。このようなエサが作れれば大型への道は格段に開かれるだろう。
なお小バリの釣りでもエサが持たせられれば可能性はある。ただし大バリに比べてブルーギルに食われやすいことだけは覚悟してほしい。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>