すべての釣りのルアーには「正しい使い方」がある。それを知らずに使用すると釣果に繋がらないどころか無意味にロストするので、ここではルアーの使い方の術について学ぼう。
(アイキャッチ画像提供:井上海生)
ルアーの使い方・選び方を知る
ここでは主にルアーを、ハードルアー、プラグとして語る。ルアーにはいろいろな形状や重さがあり、すべてを「大体こんなもんだろう」と大掴みに考えることは愚である。
私自身昔はブラックバスやシーバスのルアーを使っていて、一体どれほど愚かしく釣れなくて、失くして無駄にしたことだろうか。戦術的にルアーを用いて確実に釣るためのルアーフィッシングでは、使い方の知がすべてだ。
捕食パターンとルアーをすり合わせる
釣りの世界には「マッチ・ザ・ベイト」という言葉がある。魚の捕食対象に、ルアーを一致させるという意味だ。たとえば小魚を食べている魚には、小魚を模したルアーでいく。
季節や水温によって食うものがコロコロ変わるシーバスを例に考えてみよう。春はバチという多毛類を捕食するので、バチを模したルアー以外は効きにくい。夏前になるとボラの仔などのマイクロベイトを食べ始めるので、バチ系は通じなくなり、マイクロベイトを模したルアーに食ってくる。捕食パターンと、ルアーをすり合わせなければならないのだ。ルアーはマッチ・ザ・ベイトを意識し、うまく使ってナンボ、というか原則なのだ。
購入時にチェックすべき項目
さて、では今回は、バチについたシーバスのルアーを考えてみる。ちなみに、ここで紹介する「meba CALM(メバカーム)」はメバル用のバチ抜けルアーだが、今年の筆者の春のフィールドでは小さなバチを食べるシーバスが多かったので、ここではシーバス用として語る。
購入前に、ルアーは、スペックをチェックする。まずはシルエットだ。
頭部に目がついているが、ルアーの目はバイトポイントとしてあった方がいいと言われるので、バチのように目があるのかないのか(まああるのかな?)わからない生物でも、こういう造作になる。さて、ハコの裏面にある使い方もチェックしよう。
なんと親切なことか。攻められる場所、ウェイト、レンジ、ハリのサイズ、スプリットリングのサイズまで書かれている。まとめて言うと、港湾部のバチ抜けに合わせて、非常に静かな動きを演出するルアー、ということだ。
ウェイトは4.6g、レンジは10cm~30cmと浅いがシンキング。もっとも、よほど細イトではないとそれ以上はほぼ沈まないので、これくらいならフローティングとも考えられる。
このように、今はメーカーの説明書きにまさしく使い方がきちんと説明されているので、そのとおりに使用すれば間違いない。あえて強調して言えば、これを読み飛ばして適当に使っても釣果はまったく出ない、とまで考えていい。