好調な釣果が続いている片貝沖のヒラメを狙って、外房片貝の直栄丸を訪れた。あいにくの天候でも魚は高活性で、嬉しいゲストも登場。満足な釣行となった。
当日の状況とタックル
集まった10人のヒラメ釣りファンが片舷5人ずつに分かれて乗り込み、私は左舷ミヨシ2番に入り、タックルの準備に取り掛かる。
5時過ぎ、山本義雄船長の操船で、まだ暗い港をあとにした。天候はどんよりした曇り空。時折雨がパラつき、北東風がやや強く、波高2mと少し厳しいコンディション。
航程45分で釣り場に到着。水温23度、潮色は澄み加減。潮の流れはほどよく期待できそう。
同船では、常時仲乗り2人体制をとっており、釣り人をきめ細かにフォローすることに努めている。潮回りの間に手際よく、各自のオケにエサの活イワシを配って回る。
さっそくヒット続出!
やがてポイントが定まると軽く制動がかかり、「はい、いいですよ」の合図。
イワシをすくい、親バリを口のなかから上アゴの硬い部分へ刺し抜き、孫バリは肛門付近に掛ける。イワシ、オモリの順に落とし、リールのスプールを親指の腹で軽く押えてサミングしながら送り込む。
28mで着底、イトフケをとり、イワシが底上0.5~1mの範囲を泳ぐイメージをしながらヒラメからのシグナルを待つ。
早くも仲乗りたちが慌ただしく動き始めた。周囲を見渡すと、あちこちの竿が曲がり、巻き上げている。ひと流しめから4、5尾のヒラメが取り込まれた。
ふた流し目で筆者にも!
小移動した、ふた流しめ。イワシを送りだし、わずかに底を切り待っていると、グッグッと待望のアタリ。竿先を海面へ下げ、違和感を与えないように配慮し、じっと食い込みを待つ。ガッガッと次第に食い込んでいく様子が手元に伝わってくる。このドキドキ感がたまらない釣趣だ。
しばらく待つうち、グイーと力強い引き込みがきた。魚を乗せる感じで大きく竿を立てるとグッグイとヒット。竿尻を抱えて竿を30度に起こし、弾力で重量を受け止めながらゆっくり巻く。ころ合いを見て手を上げると、すぐに仲乗りが飛んできて、タモを手に待機してくれる。
やがて、1.5kgほどの肉厚ヒラメがゆったりと浮上。構えてくれたタモへ頭から滑り込ませ、早めのオデコ脱出に、ホッと肩の力が抜けた。
船中ヒット止まらず!
船長は魚探に映る小魚の群れを追いかけながら、次つぎにポイントを探っていく。そのたびに、何本もの竿が曲がり、本命が取り込まれていく。
左舷ミヨシの小嶋さんは快調なスタート。早くも4尾めとなる1kg超の肉厚を取り込み、
「沖釣りは何でもやりますが、とりわけヒラメ釣りが大好きです。食わせるまでのドキドキ感、グッグイとハリ掛かりさせたときの達成感、巻き上げ途中に訪れる重厚な引き込みもスリルがあり、いずれもたまらないですよ」と、至福の笑顔。
左舷トモに座る常連、渡部さんもひん繁に竿が曲がっている。様子を見に行くと、「相変わらず海上は荒れ気味だが、魚の活性は抜群に高い。少し深めを攻めているのがいいかもね」とコメント。
右舷側へ回ると、胴の間に座る山谷さんが湾曲した竿を抱え、巻き上げの真っ最中。仲乗りが駆けつけ「もっと竿を起こして、スムーズに巻き上げるように」と、盛んにアドバイスを送っている。
やがて、2kg近い良型が浮上し、無事タモに収まった。3尾目を手に、「ヒラメ釣りは2回目です。デビュー時に何尾かゲットし、すっかり魅力にハマりました」と、コメントしてくれた。