エリアトラウトフィッシングで夏や冬の極端な時期に活躍するクランクベイトの代表格がいわゆるニョロ系といわれるクランクベイト。その特徴をメリットデメリットと共に筆者が感じた使いどころを解説していきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター福岡崇史)
ニョロ系クランクベイトの特徴
まず、ニョロ系クランクベイトの特徴としてリップが通常のクランクベイトに比べて長いということにある。通常のクランクベイトでいうMR(ミッドランナー)クラスからDR(ディープランナー)クラスと比較してもその長さは歴然としている。しかし、この長いリップがあってこそ後述するスローな泳ぎを演出する上で欠かさない特徴となっている。
ボディー形状
次に細長く「へ」の字型のボディーであることである。この曲がったボディーがあることで、他のルアーにない大きな波動を生んで広範囲のマスにアピールすることができるのだ。
泳ぐ速度
最後に他のルアーに比べて泳ぐ速度がゆっくりであるということである。実はゆっくりとした動きこそがニョロ系クランクベイトの命。この動きがあってこそのニョロ系なのだ。次にメリットデメリットを挙げながら解説していきたい。
ニョロ系クランクベイトのメリット
まず筆者が考えるニョロ系クランクベイトのメリットの一つが、冬場に強いルアーであるということだ。マスは冷水性の魚であるが、やはり寒すぎるとその動きは鈍くなり、当然ルアーの追いも短くなる。
そこでこのニョロ系クランクベイトだと、スローかつ大きな波動でマスにルアーの存在をアピールできる。さらに1回転5秒程の超スローな巻きで誘うこともできて、アピール時間も長くすることができるので、ハマると爆発的な威力となる。
夏場の高水温期にも
同様に夏場の高水温期であっても表層でスローに攻めることができるので、食い気のないマスにもアピールすることができる。また、遠距離や中距離のマスを引き寄せる他に足元の釣りも得意とするルアーである。
沖の方の魚を釣っていると手前に寄って来たマスが溜まることがある。多くはルアーを見飽きたスレた個体であることが多いが、ニョロ系クランクベイトのゆっくりとした動きでヒットすることも多い。また巻く速度により表層~ボトムまで幅広く釣ることができるバーサタイルなルアーといえる。
ニョロ系クランクベイトのデメリット
一方、デメリットに近いものとしては速い速度での動きが苦手であること、比較的ウェイトが重いこと、ハンドメイドは値段が高いことにある。
基本的に普通のクランクやスプーンでは取り切れないマスを釣るためのルアーであり、早い動きを見切っているような状況に相反する動きで魅せるルアーなので当然といえば当然であるが、早く動かし過ぎると反転したり激しいスラロームになってしまう。
また、飛距離を稼げる上での重さでもあるのでULクラスのロッドよりLクラスのロッドの方が操作性も向上する。