いよいよ磯グレ師が待ち焦がれた寒グレシーズンが開幕だ。冷たい北西風が吹く厳しい時期だが、太平洋側の磯ではナギの日が増え、邪魔なエサ取りが減って大型グレが釣りやすくなる。特にシーズン前半は中型の数釣りに大型も狙えてサイコーに楽しい!今回は寒グレフカセ釣り攻略法について解説した。ぜひ参考に熱いシーズンを楽しんでほしい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・大道勝彦)
紀東エリアの概況
平均水温の上昇か、真冬の紀東でも15度台までしか下がらなくなり、13度台まで下がっていたころにはいなかった南方系の魚が見られるようになった。イガミ(ブダイ)もかなり増えた。海藻が生えにくくなった上に、冬場でも魚の活性が下がらず海藻を食べてしまう。
グレに関しては、今までなかったような湧きグレがたまに見られるようになり、尾長グレも増えたように思う。
紀東の磯ではひと昔前と比べて釣り人が減っており、平日であればいわゆる一級磯貸し切りということも当たり前で、以前より競争が減って釣りやすいし、40cmオーバーがよく釣れる。
しばらく南伊勢町で解禁したエリアの釣果が目立っていたが、それも落ち着いてきており、古くからの磯釣り道場である錦や尾鷲の釣果が盛り返してきた。高速道路も延伸されて、尾鷲や熊野に行くのもラクに感じる。渡船屋の廃業や値上げといったマイナス面も見られるが、紀伊長島三浦の磯渡しが再開され、よく釣れている。
ウエア
防寒性の高いしっかりしたウエアを着用したい。最近は気温が氷点下を割り込むことが少なく、防寒性能よりオールシーズン着られることを意識したものが増えたが、やはり爆風下では寒いこともある。インナー、使い捨てカイロ、ネックウオーマーなどで着膨れしないよう調節しよう。
足元はフェルトスパイクがオススメだ。すり減ったら安全のためケチらず取り替えること。
冬場は昼すぎまでの渡船店が多く、まきエサや食料が少ない。荷物はなるべくロッドケース、エサバッカン、磯クーラー(もしくはトーナメントバッカンなど)の3点セットに収め、間違い防止に名前やクラブ名を大きく書いておこう。
ロッドケースの隙間にも小物や食料が詰め込める。うまく荷物を詰めて2点にすればなお良しだが、1点が重くなり過ぎないように。重いは事故の元、多いは忘れの元だ。
タックル
この時期はあくまで口太グレ狙いとしたい。バランス的にラインは2号辺りがオススメだが、たまにブチ切られることもある。バラシを追いかけて強じんなタックルにしても、結局狙いの口太はあまり釣れない。
さっきブチ切っていったのは口太ではない……。そう思う割り切りが必要だ。かといって30cm級しか獲れないような仕掛けで食わせても、シーズン初期は引きが強く大グレを逃してしまう。最初はそれでも満足だが、何年も磯釣りをしていれば30cmはいらない。せっかく渡船で来たのだからあくまで40cmオーバー、50cmオーバーだと思うようになるだろう。
私が使っているサオはグレ競技スペシャルⅣ1.25~1.5号。張りが強めで扱いやすく、また号数以上のパワーも秘めている。長さは5mがバランスがいい。
リールは2500番のレバーブレーキ付き。ラインはミチイトがナイロン2号、ハリスはフロロカーボン2号。前述した理由の通り、この時期はこれ以上太くせず細くもせず、粘りたいものだ。PEのミチイトも流行してきたので、チャレンジしてみるのもいいだろう。
ハリはセレクトグレかくわせグレの6号、5号をメインに、食い渋りを感じたら4号。
最近は紀東でも、グレが沖で釣れるケースが増え、狙うエリアが広がった。以前は20m沖なら遠投と言われたが、今はちょい沖の感覚だ。
人気のウキ、ゼクトは体積が大きくモデルチェンジしたが、遠投が効くのでバリエーションの広い釣りにマッチするだろう。
タモは5mが扱いやすいが、まれにあと少しが届かないことがある。6mだとほとんどの場面で届くが、長過ぎて持て余すことがあり重い。オススメは5.3m。釣り座により5mと6mの2本を使い分ける手もある。マルチフレックスタモの柄6.0~5.0mなら1本でいけるが6mの重さになる。タモ枠は45cm。大物用と割り切るなら50cm。