埼玉県川越市にある伊佐沼の導水が4月6日から始まった。水位が上昇し、それと共に乗っ込みが始まる。ヘラブナ推薦釣り場として、今週はこの伊佐沼を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
伊佐沼の概況
この記事が出ているころには乗っ込みはひと段落しているかもしれないが、それでも一気に終了してしまうものでもない。やる気のある魚はまだまだ残っているはずだし、ポイントを探ればいい釣りができるかもしれない。春しか脚光を浴びない釣り場だからこそ、一度は訪れてみてはいかがだろうか。
農業用水をためるためこの時期(例年4月第1週ごろ)から入間川よりポンプアップして導水を始める。それと同時に乗っ込み開始となるのが伊佐沼最大の特徴。通常期は数えるほどしかいない釣り人も、この時期だけは満員御礼となる。
導水ペースは日に10~15cmほど(降雨によっても変わる)。例年どおりなら1週間~10日ほどで満水となる。今年の導水開始日は4月6日。導水が行われない日もまれにあり、実際9日(土)は稼働ゼロだった。
増水と同時に一気にハタキに入るので、このタイミングでの釣行がベストではあるが、一服後の回復期を狙ってみるのも面白い。
ポイント
伊佐沼のポイントを紹介しよう。
導水時(乗っ込み)
いわゆる北岸一帯の浅場帯が1級ポイント。減水時の航空写真(グーグルなど)を見ると北岸一帯が干上がってしまっている部分に水がかぶるようになり、減水時に生えた草木が魚のハタキ場と化す。
減水時にも水がある所が増水時は一変して深場(と言っても深い所で1m前後)となるので、水位によって好ポイントが大きく変化する面白さと難しさを兼ね備える。
なお北岸一帯に限ってのことだが、導水中はミオ筋にそって速い流れが発生する。また流れに沿って浮遊ゴミなどが動き回り釣りにならない時間もある。
導水後(満水時)
北岸一帯の浅場から魚の気配が消え、東西の中央から南寄りがおもな狙い場となる。タイミングにもよるが、岸近くでモジリが見られるなら北岸寄りでも狙ってみる価値はある。
釣行計画を立てるのであれば、一度は航空写真を見ておくといい。執筆時点だがグーグルマップの航空写真には減水期の伊佐沼が掲載されているので、細かい水深は把握できなくとも、どこが浅くてどこが深いか程度は理解できるはずだ。
なお同沼一帯の道路は駐車禁止エリア。農道と思える東岸道路でも、警察の取り締まりがひん繁にあるので、北側ならびに東西の駐車場を利用したい。
釣り方とエサ
水深が深くても1m前後、浅いと40~50cmを狙うので釣り方は底釣り。流れが出たらハリスオモリかライトドボンで止めるのが一般的だ。竿は8~15尺が主流だが、沖め狙いが正解の時もある。そのためロッドケースには18~21尺竿も用意したい。
エサは両グルテンか両ダンゴ。ただし後者はマブナの入れアタリになる可能性がある。マブナをかわすには集魚力ない両グルテンで、さらに開き気味のタッチがいいとされる。しかし”マブ穴”と呼ばれるマブナの巣窟みたいなポイントに入ると、本命1枚を釣り上げることさえ難しいこともある。その場合は今より浅い水深を狙うか、思い切って宙釣りにする。それでもかわしきれなければ、竿替えやポイント移動する。
アベレージサイズは尺前後だが、意外にも引きは強い。浅場でのやりとりになり竿が立ちづらいこともあるので、ハリスは最低でも0.6号以上は結びたい。ハリも強引に耐えるようにプロストやセッサなど軸が強めのタイプを使う。なおコイはあまり食ってこないが、まれに日本ナマズがハリ掛かりする。
伊佐沼で好釣果を得るカギは場所と底の状態。魚が通りやすいエリアを見つけ、底がキレイな場所を見つけることができれば、釣果はおのずと付いてくるだろう。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
伊佐沼
入釣料:¥400(現場徴収)。釣り台必携、長靴用意。