今季はハゼのミャク釣りでPEミチイトを使い釣果をアップさせる検証を行ってきた。今回は長時間の実釣をおこなったので、そのデータと過去のフロロミチイトの釣果と比較し、その効果を検証したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
PEミチイトで釣果アップ
これまで、ハゼのミャク釣りにPEミチイトを使用する取り組みを紹介してきた。これは、キスの投げ釣りで普及しているPEミチイトの効果にヒントを得たもので、短時間の実釣テストを重ねた結果、従来使っていたフロロカーボンと比べてもライントラブルなく同様に使えること、食い込みのよさではフロロカーボン、アタリ感度のよさおよび川底の状況把握ではPEが勝っていることを見い出した。
ただしPEには、ニアポイント(ミャク釣りの場合にはオモリが見えるくらいの足元近く)での食い込みが悪いというデメリットがある。そこで柔軟性のあるナイロンのリーダーをPEにつないで実釣テストを実施した。
これによりPE単独の場合よりも食い込みが向上し、釣果増に結び付けられる可能性が出てきた。現状では、図のように穂先から50cmをナイロン2号、そこからサオ一杯まで(天秤の接続点まで)をPEライン0.6号というパターンとなっている。
PEミチイトシステムと効果
実際に私が使用しているラインシステムは以下の図で確認してほしい。
穂先側50cmのみナイロン2号+仕掛け側までPEライン0.6号で行った短時間の実釣テストの結果が、表1である(前回紹介したデータの一部)。
上の表は潮が動いている時合の、20分という短時間のデータであるので、実際にナイロン+PEによる長時間の実釣で、どのような釣況になるか、仕掛けの使いやすさはどうかを調べたのが今回のレポートである。
釣行テストその1
10月30日、16時30分~18時まで、和歌山市を流れる紀ノ川左岸、南海電車鉄橋下流側の砂利浜で実釣を行った。
竿は水郷小継の4.5m、ミチイトは穂先から50cmのみナイロン2号、その下サオ1本分はPEライン0.6号である。
オモリはショア天の2号、仕掛けはジャストキスの6号2本バリ(ハリスの間隔は15cm)である。今年はハゼの型が小さめのようなので、ハリのサイズを前回テスト時よりも小さめにしてみた。
この日は、ハゼ14cmまでを39匹だった。ライントラブルは全くなかった。
昨年のフロロでの釣果と比較
この釣果を、昨年までのフロロカーボンミチイトで釣っていた時の釣果と比較してみたのが下の表2である。
ポイントや潮まわりなどは異なるので完全な比較ではないが、今回は10月下旬の釣行であり、一般的なハゼのミャク釣りのシーズンとしてはやや盛期を過ぎている。
今回のデータを食い込みのいいフロロカーボンのミチイトで、盛期に釣った釣果(H3010/12)と比べてみても、1時間当たりのハゼの数ではほとんど遜色がなく(26VS28)、むしろ昨年の盛期の短時間釣行(R210/6および10/17)と比べると、1時間当たりの匹数では10~20%上回っている。食い込みのいいフロロカーボンでのいままでの釣果と比較しても、PEのメリットが十分感じられる結果となった。
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