今季はハゼのミャク釣りでPEミチイトを使い釣果をアップさせる検証を行ってきた。今回は長時間の実釣をおこなったので、そのデータと過去のフロロミチイトの釣果と比較し、その効果を検証したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
釣行テストその2
釣行テストその1の結果を踏まえ、ナイロン+PEのラインシステムでほぼ半日の釣行にも挑戦してみた。
11月7日、正午~17時30分まで、和歌山市を流れる紀ノ川左岸、北島橋上流側の浜を移動しながら実釣を行った。
サオは並継ヘラザオの4.2m、ミチイトは穂先から50cmのみナイロン2号、その下竿1本分はPEライン0.6号である。
オモリはショア天の1.3号、仕掛けはジャストキスの6号2本バリ(ハリスの間隔は15cm)である。
ほぼ干潮の底からのスタートであったがハゼ15cmまでを94匹。取り込むときにハリから外れることも何度かあった。また、上げ潮まわりで暖かい潮が底を這ってきているためか、ピンギスがかなりサオ先をふるわせた。
キスはハゼに比べてエサ取りがうまく、なかなかハリに乗ってこない。しかしPEのミチイトによりモゾモゾした前アタリがよく取れたのと、穂先近くのナイロンの柔軟性、また、サオがヘラザオで軟調であったことも幸いしたものと思われ、2ケタを釣ることに成功。結構面白い釣行になった。
過去のフロロでの釣果と比較
数年前のデータになるが、フロロのミチイトで釣っていた時のデータとの比較を表3に示す。
H29の盛期の釣況との比較であるが、やはり1時間当たりの匹数ではフロロカーボンを上回っている。しかもH29の釣行では、和竿(竹ザオ)を使っているので、食い込みのよさでは圧倒的に今回の釣行を上回っていると考えられるが、なおかつ1時間当たりのハゼの釣果では上回った。
まとめ
ハゼのミャク釣りの実践のなかで、投げ釣りにヒントを得たPEミチイトの使用について様々なテストを実施してきた。
その結果、フロロカーボンと全く遜色なく釣果を出せるようになった。様々なテストを通じて明らかになってきたことをまとめると次のようになる。
PEミチイトの使用により、底の情報キャッチ、アタリを捉える感度は確実にアップする。
フロロカーボンに比べると、食い込みで劣る側面も確かにある。しかし穂先近くにナイロンのイトを使用し、そこにPEをつなぐことで、食い込みを改善し釣果アップが可能。1時間当たりのハゼの匹数ではフロロと同等以上の釣果を出すことが可能である。
フロロカーボン、ナイロン+PEの2つのミチイトパターンを、状況によって使い分けるのがいいのではないかと思う。
軟調ザオとの相性よし
今回の長時間テストでは、食い込みに優れるといわれる和竿と比べても、1時間当たりの釣果が上回った。この理由の一つとして、サオが軟調であったことがあげられると思う。
ナイロン+PEラインでPEラインの食い込みの改善をはかるとともに、軟らかめのサオを使用することで、手返しもより軽快になり、面白く、かつ楽な数釣りができそうである。
改良PEラインシステムによる実釣については、さらに続行する予定である。また、釣行時における手軽な楽釣アイデアや、ハゼの料理法などにもチャレンジするのでまたご報告したいと考えております。
<牧野博/TSURINEWSライター>
紀ノ川