ルアーフィッシングは入門のハードルが高いような印象があるはず。しかし、覚えるべきことは、ほとんど3つだけです。今回はその中からリールの「ドラグ」について解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ドラグとは何か
「ドラグ」とは、負荷(魚の引きなど)に追従してイトを出す機能です。
スプールという、イトを巻く部分が逆回転して、イトが出ていきます。これによって、ラインブレイク(イトが切れること)を防ぐことができ、また魚の口元にうまくハリ先が食いついて、しっかりと寄せ~ランディングまで持っていけます。
ドラグは、リールの最大の機能といえるかもしれません。現在のリールの価格差のほとんどは、このドラグ性能や、もっと踏み込んだ各釣り物に対するドラグ特性(クイックレスポンス、など)によるものです。
「ドラグを制するものが、釣りを制する」。そういう場面も、実際によくあります。
ドラグの設定の仕方
スピニングリールの場合、ドラグの設定は、リールの頭部分にあるドラグノブを回して行います。反時計回りが、緩める。つまりイトが出ていきやすい状態にする。時計回りが、締める。つまりイトが出ていきにくい状態にする、というものです。
釣具店で購入した新品状態はフルロック、つまり締めきった状態になっていることが多く、そのままでは使えません。
ベイトリールの場合、スタードラグなどと呼ばれるハンドル横の星型の部品で、ドラグを調整します。やはり時計回りが締める、反時計回りが緩める、です。
ライン強度とドラグ
ドラグとライン強度は、非常に重要な関係にあります。
ドラグには「*kg」までという負荷に耐えられる数値があり、その中でイトを出し引きします。たとえば今、ライトゲームという海の入門者向けの釣りで、2000番リールの最大ドラグ力は大体5kgです。対して、というべきか、ライトゲームで使用するラインの最大強度といえば、PEライン0.4号、およそ8lb(3.6kg)でしょう。
上記の条件、3.6kgの負荷に耐えるラインがあるとして、ドラグを5kgでフルロックしていると、それ以上の引きをする魚が掛かったときに、ラインは必ず切れます。カサゴやメバルなどのかわいい魚では問題ないのですが、たとえば初速が速いキビレ、チヌ、シーバスなどの大型です。こういうゲストがくると、必ず切れます。
つまり基本的に、ドラグは、ライン強度以下のところに設定しなければなりません。
ただ、ドラグの力の設定は、わりと「感覚的」な部分が多いです。たとえば、筆者はアジングといって、アジのルアーフィッシングがメインですが、この釣りの基準となるドラグ力500gを、厳密に設定したことは一度もありません。
ドラグというのはアナログな部品でもあるので、「*回転すれば**kgの力になる」というメーカーの説明もなく、ほぼ自分の感覚でやるしかない部分があります。そのような前提の上で、下のような釣り物別のドラグ設定の「大体の部分」を解説したいと思います。