金沢八景(洲崎町)の一之瀬丸からイサキを狙って出船。久里浜沖と剣崎沖を探り、イサキ11尾にアジ25尾をキャッチした釣行をリポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
一之瀬丸でイサキ狙い
エリアによっては通年狙えるが、資源保護の観点から、東京湾剣崎沖で狙うイサキの釣期は6月1日に解禁して8月いっぱいまで。
釣り方は小型のハリにウイリーを巻いた仕掛けを使用するのが特徴で、ハリスも細めなフィネス仕様。それゆえ、その日にマッチした食わせるための誘いやストローク、食わせの間を見つけることが求められるテクニカルな要素を秘めている。
今シーズンは開幕から好調との報を受け、6月6日(日)に、金沢八景(洲崎町)の一之瀬丸から出船した。舵を握るのは瀧本晃史船長。開幕から約1週間。その状況を聞いてみた。
「開幕前から、マダイ釣りに交じるイサキは大型が多く、今年は当たり年の様相で6月1日の開幕を迎えました。その予想通り、開幕初日と2日目は好釣果だったのですが、そこから大シケを挟んだら、一気に急降下してしまい、きのうも反応は出ているのに口を使ってくれなくなってしまいました。潮や水に慣れれば、復活するとは思いますが、きょうは久里浜も視野に入れて、やっていきたいと思っています」とのこと。
開幕からの好調にけん引されるように、この日、集まったファンは17人。右舷9人、左舷8人が並んで7時すぎに出船。
久里浜沖のポイントでスタート
40分で久里浜沖水深26mのポイントに到着。「反応の上に止めていますが、8時が竿入れなので、もう少しお待ちください。コマセはビシに入れすぎずに6~7分目。上の窓は3分の1~4分の1で、下は全閉めにして、コマセが出すぎないように注意してくださいね」とのアナウンスでスタートを待つ。
10分ほど待って「では始めてみましょう。指示ダナは海面からで20~14m。ミチイトのメーターマークでカウントしてくださいね。アジ交じりの反応だと思いますが、上のほうが濃い感じです」と船長。
仕掛けは吹き流しにしておいて、その仕掛けと絡まないよう、ビシをやや潮上へと投入する。20mでミチイトを止め、数秒ほど仕掛けが潮にナジむのを待ってから誘いに入る。竿のシャクリ幅は50cm程度。リールのハンドルは6分の1回転で巻き、食わせの間としてステイは3秒でスタートする。
本命顔見せも難渋
1投目、指示ダナ上限14mで小気味いいアタリが到来。しかし、引きに力強さはなく、案の定、アジがトリプルで姿を見せる。次投でも同じ誘いでは同魚だったため、やや速めのピッチに誘いを変更すると、15mのタナで竿先をひったくるような強いアタリ。アジとは異なる締め込みで20cm本命が姿を見せてくれた。
この1尾でスイッチが入るかと思ったものの、その後アタリは散発に。船中でも本命はたまに姿を見せる程度となってしまう。「反応は時折入ってくるけど、口を使いませんね。違う反応にあててみましょう」と移動が告げられる。
再開後も状況に変化はなく、アジは釣れるが本命は船中ポツポツ。私も1尾目と同級を3尾追釣しただけ。11時半まで久里浜沖で粘ったものの、改善が見込めないということで、船長は剣崎沖への移動を告げた。
35cm良型頭に続々
正午に「ヨシンデ」と呼ばれる釣り場に到着。船団に合流する。
潮の濁りは強め。雨も強く降り始めるなか再開。指示ダナは18~10m。再開1投目、水深12mでひときわ強いアタリが到来。緩めのドラグ設定で、スプールからはミチイトが引き出される。強い引きを竿でためていなしながら、右隣の梅津さんにタモ取りしてもらったのは後検量35cmの良型。思わず笑みがこぼれてしまうほどの体高のある1尾だった。
ここまで、本命のアタリがなかなか出せていなかった梅津さんも、この流しでようやく本命をゲット。次投では一荷も達成。「タナを見つけるのが難しかったですね」と、笑顔を見せてくれた。
静かなシャクリで竿頭
船中で食わせのパターンを探るべく、誰もが試行錯誤のなか、一人気を吐いていたのが、右舷トモの紅一点、山口さん。静かな釣りでポツポツと本命を手にし、最終的には22尾まで数を伸ばし竿頭。
好調に数を伸ばす釣り方のコツを聞いてみると「剣崎への移動中に、ネットで調べたら、渋いときはコマセを振らずに静かにシャクってしっかりと待ったほうがいい……と書いてあったので、その通りにやったら釣れました」と笑いながら答えてくれた。
このポイントでも船中全体では渋めながら、ポツポツと本命が顔を見せ、15時に沖上がりのアナウンス。船中釣果は18~36cm1~22尾。私はイサキ11尾にアジ25尾。