2月の三重県・志摩沖のトンボことビンチョウマグロは10kg前後がメインだ。しかし今年は何だか様子が違う。志摩沖のポテンシャルを実感した釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・峯卓)
志摩沖のトンボジギング状況
2月の声を聞くといつもの小トンもやって来たのだが、まだまだタネトンと呼ばれる20kgオーバーやキハダも交じってくるのだ。ひとえに黒潮の蛇行による高水温が原因と思われるが、いいことずくめってワケでもない。
本来ならば本格化するカワハギやフグ釣りも一向に群れが固まらずに苦戦を強いられ、低水温を生き抜くために沿岸魚が身にまとうはずの脂の乗りもイマイチだ。とはいえ無節操を自負する私と友人は、せっかくマグロが来たならノコノコと故郷には帰さない。
魚勘丸でトンジギ
2月上旬も三重県鳥羽市相差の魚勘丸でトンジギを楽しんできた。朝イチの時合いを逃さないよう出船は夜明け前。全員気合い十分で志摩沖へと向かう。タックルはベイト、スピニングともにPEライン3号、リーダー18号の近海より少しだけ強めのタックル。ジグは200~350gのショート、ロングをいつも準備している。カラーはシルバーというのが定番だが、こと小トンに限れば何色でも構わないと思う。
釣ったトンボの胃袋を確認すれば分かるが、おそらく専食性はないと思われる。5cmぐらいの何かの稚魚や子エビ、小イカ、果てはキハダもよく食っているヨリトフグまで、目の前のありとあらゆる生物を口にしている感じだ。
回遊層でのレンジキープが重要
魚勘丸の誠司船長もよく言っているのが、ヒットジグを探すよりもその日の回遊層を早く見つけて、長くレンジキープすることが釣果を上げるコツだ。この日の水深は300m以深。最近のヒットレンジは100m前後ということで、ドテラ流しの都合上200m近くラインを出して斜めに巻き上げてくる。
ガンガン巻く必要はない。フォールに強く反応する魚なので、ゆったりワンピッチからのフォールをセットにして繰り返すと、腕と肩への負担が少ない。
クロマグロが連鎖ヒット
両隣の友人と他愛もない雑談をしながら釣っていると、前触れなく友人にヒット。
「イイな~、うらやましいなぁ」と眺めていると、私にも連鎖ヒット。ひと足先に取り込んだ友人には、4~5kgの黒いダイヤことクロマグロ。残念ながら30kg以下は資源保護のためリリースと決まっている。「ざまあみろ、さっさと逃がせ」と毒づいた私にもブラックダイヤモンド。なんでやねーん!
トンボタイムに船中連続
気を取り直しての流し直し。ここからやっと夕焼け小焼けのトンボタイム。ひと流しで必ず誰かが掛ける願ってもない展開。掛ければもれなく連鎖してダブルヒットで大騒ぎ。私たちもトリプルヒットで、友情に傷が入らずに帰宅できそうだ。
タネトン25kg浮上
ここで魚勘丸に週3で通う男、どうかしてるぜ大谷君にビッグバイト。この日のアベレージ12~13kgとはワンダッシュのスピードが違うが、そこはさすがに手慣れたやり取り。15分ほどで寄せ、船長がモリ打ち一発。
出ましたタネトン25kg。涼しい顔でサクッと釣り上げるあたりがいかにも憎たらしい。