落とし込み用の竿にはベイトの小魚を掛ける繊細さと、本命の大型青物などと真っ向から勝負するパワーの異なる2つの機能が求められる。今回はアルファタックルから発売されている2タイプの趣きの違った竿を使って、和歌山・白浜沖で青物を狙った。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
白浜沖で落とし込み
落とし込み釣りは、「アンダーベイト」や「タテ釣り」などとも呼ばれ、疑似バリや素バリの付いたサビキ仕掛けを船の上から沈め、まずは青物などのエサとなる小魚(ベイト)を掛ける。小魚が掛かったら、そのまま大物の潜んでいる底付近まで沈めて、ハリに付いている小魚に大物を食いつかせるという、食物連鎖を有効利用した釣りである。海域に小魚が多くなる夏場以降、青物の回遊が盛んになり、小魚をエサとする大型魚の活性が上がり、秋に本番を迎える。
今回訪れた和歌山・白浜沖でもメジロやハマチに加えてブリクラスが交じり、10月に入ってからはカンパチも好調…と、ワクワクするような情報が飛び交っていた。また、2020年の秋はベイトも豊富で、様々な大型魚の活性が上がっているという。
当日の作戦
10月16日は白浜町袋から出船するオーシャンサポートサービス・代々丸に、アルファタックルの下地圭祐さん、相川琢眞さんとともに乗船した。この日、2人が用意していた竿は下地さんが「デッキスティック・73・フルアームド・201」、相川さんが「アルファソニックPG64・220MH」。実はこの2本の竿、まったくコンセプトが違うセッティングなのに、ともに落とし込み釣りに威力を発揮する竿とのことで、それぞれの竿での楽しみ方を見せていただきたかったのだ。
この日は水深60~80mラインで、ベイトはアジが中心。ここ数日の釣果を確認すると、ブリクラスよりもメジロ、ハマチが多いこと、またカンパチも1mに迫る大型も姿を見せているが、どちらかといえば中型カンパチが数釣れているのが傾向のようだ。そんな状況を踏まえて、2人がそれぞれのシリーズから用意した竿を紹介してみよう。
デッキスティックシリーズ
さて、今回下地さんが使用していたのはデッキスティック・フルアームドシリーズ。古くから同社の汎用船竿として人気を博してきたデッキスティックシリーズだが、今年、大きくモデルチェンジを果たした。基本的に「デッキスティック」シリーズには「82」「64・フルアームド」「73・フルアームド」の3タイプがあり、それぞれに長さの違うアイテムが数種類ずつ設定されている。
中でもフルアームドの2タイプが今年、大きくリニューアルされて注目を集めている。このシリーズの最大の特長は、アルファタックル独自の素材であるMPG(マグナムパワーグラス)を100%使用した竿であることだ。MPGの最大の特長は、簡単にいうと「カーボンとグラスの良いところ取り」である。