珍しく風のない穏やかな夜となった4月19日、三重県四日市市の霞ケ浦ふ頭でカサゴを狙った。
タックルはノベザオとジグヘッド
今回使用したタックルは小継ぎの渓流ザオ。
いわゆるノベザオだ。
今まで内緒にしていたが、実はコレ、とても楽しく、そしてよく釣れる。
強風に弱いことだけが唯一の難点だが、それも今夜なら問題ないだろう。
使用したタックルは2.7mの渓流ザオに同じ長さのフロロカーボンライン4ポンド、その先に1gのジグヘッドを結んだだけというシンプルなもの。
クッション性が高く根ズレにも強いフロロカーボンラインは、この釣りには最適だ。
ナイロン一択だった昔とは違い、今は多彩なラインが選べる。
それぞれの特性を理解し、適切なものを選びたい。
当日の釣り場は水深5~10mの岸壁。
どうあがいてもルアーは底まで届かないが、「カサゴ=底」が全てではない。
このエリアに多い矢板式の岸壁では、水面下にコンクリートと矢板との段差があり、そこに魚が潜んでいる。
そのレンジを狙えば、ノベザオでも十分に釣りが成立するのだ。
干潮時には水面から露出することも多いので、満潮前後の時間帯を狙いたい。
サオの長さは、真下に向けてサオ先が水面に届く程度で十分。
あまり長いと取り回しが悪くなる。
振り出しザオは尻栓を外して手元を抜くことで長さの調整ができるので便利だ。
アクションは、主にカーブフォールとスイミング。
前者は仕掛けを振り込んだらラインを張って待つだけ、後者はサオを横方向に操作する。
リールを使う通常のタックルの場合、スピードやレンジをイメージ通りにコントロールすることは意外にも難しい。
ましてや初心者ともなれば、自分のイメージと実際の動きとのズレは想像以上。
これが釣れない原因のひとつなのだ。
だが、ノベザオならサオ先を動かせばルアーも同じスピードで動く。
ラインの長さが決まっているのでレンジも一目瞭然。
また、慣れないとキャストの難しい超軽量リグも余裕で使える。
確かに探れる範囲は限定されるが、それと引き換えにするだけのメリットは十分にある。
前置きが長くなってしまったが、それでは実釣といこう。
ノベザオとワームで連発
到着は午後7時半ごろ。
満潮手前で潮位も十分だ。
使用したワームは『五目ソフトシリーズ/ストーム』。
視認性向上のため、ワームとフックの間に半分に切った夜光玉をセットしてみた。
壁際ギリギリに投入し、サオ先を下に向けてラインを張ったまま待っているとルアーがヒットレンジに入ったところで明確なアタリ。
すかさずアワセを入れ、即座にサオ先を沖に向けて魚を壁から引き離す。
上がってきたのは15cmほどのカサゴだが、道具が道具なだけに引きも十分楽しめる。
この日は2時間ほど周辺を探り歩き、同様のパターンで18cmまでのカサゴやムラソイを何匹かキャッチすることができた。
続いて翌20日の夜は釣り場を四日市港の運河周りに移し、3.6mのサオで底狙い。
場所は限られるが、浅場であれば岸際のカケアガリや敷石回りなどのボトムレンジも十分に射程圏内となる。
ルアーが着底したらサオ先で少し持ち上げてフォール。
この繰り返しでターゲットを誘う。
ここでは小ぶりながらもクロソイやタケノコメバルを何匹かキャッチ。
その後、ふ頭周りに移動して2.7mのサオに持ち替える。
壁際をカーブフォールで探ると、ここでドカンときたのが20cmのムラソイ。
このクラスになるとサイズ以上のスリルが味わえる。
例年ならメバルも交じる(というより表層まで浮いてくるので他の根魚より釣りやすい)のだが、残念ながら今年のメバルはご機嫌斜めのようだ。
それでも2時間ほど遊んで満足の帰宅。
ベイエリアには明るいポイントも多いので、夜でも手軽に楽しめる。
ライトゲームを始めてみたけど思うように釣果が得られない、という人はぜひお試しいただきたい。
ただし、岸壁際の釣りとなるため、転落にだけは十分ご注意を。
<週刊つりニュース中部版 APC・浅井達志/TSURINEWS編>
交通霞ケ浦ふ頭へは東名阪・四日市東から霞方面へ。