8月19日、神戸沖のテンヤタチウオ釣行へ。ところが、肝心のサカナのやる気はゼロ・・。そんな低活性な状況をチタントップのロッドで打破した釣行をレポート。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部)
神戸沖でテンヤタチウオ釣り
8月19日、兵庫・西宮今津から出船する釣人家の乗合船に乗船して、大阪湾のテンヤタチウオ釣りを楽しんだ。この日のポイントは神戸沖。潮回りとしては大潮でタチウオ釣りとしてはあまり良くない潮回り。
そして、前情報ではタチウオはかなり食い自体が鈍く、タチウオの状態に合った誘いを駆使して、アタリをしっかりと出させて釣る人と、そうでない人で釣果に大きな差が出るという。
この日同行していただいたのは、株式会社エイテックの下地圭祐さん。というのも同社では、現在、チタントップの竿のラインアップが充実しており、チタントップを駆使してクセの強い今季のタチウオを攻略してしまおうという思惑だ。
チタントップのタチウオロッド
現在、船のタチウオ竿において、よく使用されている素材と言えばグラスソリッド、カーボンソリッド、そして金属製穂先。柔軟でありながら感度も良く、そのため目で見て変化が分かる「目感度」に優れているのが金属製の穂先である。
「金属」と言うと「硬い」「重い」など、いわゆる身の回りにある鉄などをイメージする人も多いだろう。しかし、金属穂先に使われる金属は形状記憶チタン合金である。チタンは金属の中でも非常に軽量で、その特製を生かして竿のガイド枠にも採用されている。そのチタンに焼きを入れることで柔軟性を出したのが、チタントップと呼ばれる穂先だ。
チタンを穂先素材として採用するメリットは、とにかく目感度が良いことと、魚のアタリを弾かない点だろう。特に、テンヤを利用したタチウオ釣りは穂先の変化を読み取って、アタリを出させ、掛けるまでの駆け引きを行うので、穂先にはこだわりたい釣りである。
いわゆる穂先でアタリを取る釣りにおいては、チタントップはかなりオススメな素材だ。
ただし、デメリットもある。それは非常に高価な竿に採用されていること。逆に言えば、チタントップを採用するがゆえに竿が高価になるのだろうか。いずれにしても、入門者には少し手を出しにくい価格帯のロッドが多い。
チタントップで低活性に対応
当日は水深70mラインからスタート。船長の指示は「ボトムから20mくらいまでを探ってください」とのこと。テンヤを一度着底させ、そこから素早く数m巻き上げたら、ワンピッチジャーク、タダ巻き、シェイク、ストップ&ゴーなどのアクションを組み合わせて、タチウオにアピールする。
スーッと巻き上げて止めた瞬間にごく小さな、コツンというアタリが出た。が、前アタリにしてもかなり小さなアタリだ。まるでやる気がない。この日のタチウオは気むずかしく、なかなか本アタリが出てくれない。
当日、下地さんが使用していた竿はアルファタックルの「アルファソニックLG82」。コンポジットチタニウムソリッドトップ(CTS)を搭載したライトゲーム用ロッドだ。
チタントップの柔軟な穂先は、当日のような渋い「やる気のない」タチウオのアタリを、タチウオに違和感なく続かせることができる。
ごく小さなツンと言う前アタリは、目感度の高さで明確に分かる。そんなアタリが出たら、ゆっくりと数10cm巻き上げて止める。すると、再びコツンと鈍いアタリが出る。アワせたい衝動を抑えての駆け引きが続く。数度のアタリを待ちながら少しずつ巻き上げていると、ようやく穂先をグーッと押さえ込むアタリが出たところで大きくアワせた。