8月10日、兵庫のポートアイランド沖一文字へ釣行し、ウキサビキと落とし込みを楽しんだ。潮が動かず苦戦したが、何とか本命の大サバとチヌをキャッチできた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
目次
ポートアイランド沖一文字へ
大阪湾を代表する好ポイントの神戸港東エリアは、通称「沖の波止」と「内湾の波止」に分けられ、釣り物や時期により、それぞれの強みが発揮される。以前の投稿では内湾の波止の中から8防と6防の実釣レポートをお届けしたが、今回は沖の波止から、8月10日の「ポートアイランド沖一文字」の実釣レポートをお届けしたい。
なお、神戸港東エリア全体の基本情報などは、「大阪湾の沖堤防を徹底解剖:神戸第8防波堤 サビキ釣りで中アジ好釣」をご覧いただきたい。
神戸港東エリアの沖堤防のうち、沖の波止は略図のとおりで、今回釣行したポートアイランド沖一文字と、ミニ波止の2つがある。ポートアイランド沖一文字は、神戸港の湾内・ポートアイランド2期区の東端から、東西に伸びる全長600mの防波堤。
基本的に平坦で幅広く、海面からの高さもさほどないので、足場がよく釣りやすい。ただし、中央付近に大きな窪みがあり、東側と西側は分断されていることから、船着き場は東端先端、中央、付け根の3か所になっている。
松村渡船を利用
釣行したのは盛夏の8月10日、利用した渡船は松村渡船。朝マヅメを狙う多数のルアーマン達が競って渡ろうとする人気の波止への渡船とあって、午前中の出船ダイヤは深夜に出船する便のみ。
当日も前日23時に休日用臨時乗船場に到着すると、3人の船長がフル出勤で現場対応に奮闘していて、既に乗船待ちの釣り客が並んでいた。
「0便が出船しますが、乗られるなら急いでくださいね」と船長に促されたが、その後「ポーアイ沖、チヌ釣れますよ。ルアーのお客さんが減った9時頃から内向きでやってみたらいいですよ」と、耳寄りな情報を教えてくれた。ウキサビキと落とし込みの2つの釣りを予定していたので、願ったりかなったりだ。あわてて身支度を整えて乗船手続きに向かう。
深夜はアジングで釣果あり
深夜0時前に、私は多数の釣り人とともに中央の船着き場で降りた。それぞれにいい釣り座を構えようと釣り人たちは小走りに散っていく。他の渡船店の利用者も波止にあがっている中、コロナ対応で釣り人同士の間隔も一定の距離をとることが必要なことも相まって、沖向きは次々と釣り人で埋まっていった。
周りではタチウオ狙いの電気ウキ釣りやワインド、タコジグ、アジング、ズボ釣りと深夜の釣りを始めた人が多数いたが、ほとんどの人は空振りに終わっていたようだ。しかし、その中でも散発ながらアジングの人から「アジが釣れた」と歓声があがっていた。
私はタックルの準備を一通り終えると、夜明けまで体力温存とばかりにゴロ寝を決め込んだ。
ウキサビキ釣りのタックル
ウキサビキ釣りのタックルは、5.4mの遠投仕様の磯ザオ5号にミチイト5号を巻いたスピニングリール、サビキは色の薄いスキンサビキを選択した。アミエビを詰めるまきエサカゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介した。下カゴはテンビンにセットし、テンビンの先にもフラッシュ仕様のサビキをセットした。
また、マイクロベイトに似せた2cmぐらいのソフトワームをサビキの3か所に付けて、アクセントとした。このソフトワームは大サバや大アジへのアピール効果が高く、今回の釣行でも後の釣果につながることになる。
沈黙の朝マヅメ
夜明け前、空が白み始めたころから私もウキサビキ釣りをスタート。周りではルアーマンたちがエンジン全開。しかし、小サバやガシラがたまに上がるだけで、誰もめぼしい釣果を上げることができない。
沈黙状態が続く中、6時ごろにルアーマンが大サバを仕留めた。時合い到来かと私も周りも奮起するが、またも沈黙状態に。当日は中潮で8時前の干潮、11時前の満潮と、潮回りはいいはずなのだが、実際のところは海面を見ると上潮だけが流れている状態で、潮の動きとしては悪い。
松村船長が内湾の波止を勧めていたのは、こういう状況を知ってのことだったのか不安が募る。ならばと、もう一つ用意してきた、落とし込み釣りを併行して始めることにした。
落とし込み釣りに転戦も
落とし込み釣りのタックルは、3.9mの落とし込み専用ロッドに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ラインを巻いた落とし込み専用リールをセットする。ラインの先には市販の目印仕掛けを接続し、ハリス1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませた。
エサはイ貝を別の場所で採取して持ち込んだが、長雨続きの梅雨が明けて、エサのイ貝の採取が一気に難しくなり、エサ箱に軽く入る程度の少量のイ貝を手にするのがやっとだった。
別の船長のアドバイスどおり、内向きの壁面をタナ2ヒロあまりまでに絞って探り歩いたが、アタリはない。波止全体でも、他にいた3人ほどのヘチ釣りの人も釣れずに皆渋い表情。ウキサビキ釣りも落とし込み釣りもダメで、八方塞がりになってしまった。
7時過ぎから大サバ到来
波止全体の沈黙状態が打ち破られたのは7時過ぎ。他のグループから歓声があがった。「でかい!」、「ハマチちゃうけどなー」。タモ入れした大サバを手にしたドヤ顔の主を囲んで始まったスマホ撮影会を尻目に、周りの釣り人たちも本腰を入れなおす。するとポツリ、ポツリと、他の釣り人からも歓声があがりだした。
数は少ないながらも、大サバはこの波止の近辺にいる。私にもチャンスはあるはずと、アミエビを詰めなおして遠投気味にサビキを飛ばす。
恵みの大サバ38cm手中
すると遅まきながら9時前、ウキが少し沈んで横走りを始めた。これはと期待を込めて慎重にリールを巻くと、確かな魚の引きが伝わってきた。さらに波止際まで寄せてくると、待望の大サバの姿が見えた。タモを用意して確実に取り組みをはかり、無事キープ。
このタイミングで船着き場に松村渡船の9時便が到着したので、船長に釣れたとアピールすると、「帰りに釣果写真撮りますよ」とマスク越しに返してくれた。採寸すると38cmのグッドサイズ。
サバは傷みが早い魚なので、すぐに活〆にして血抜きと内臓処理を済ませる。腹を割いてみるとアミエビに交じって小魚が3匹入っていた。やはりマイクロベイトを捕食していた。サビキのアクセントに付けたソフトワームが効いたようだ。
さあこれからと追釣を狙ったが、3投目にガシラが掛かった時点でアミエビを使い切ってしまいウキサビキは終了となった。