サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】

ソルトルアーのメッカとして知られる神戸・ポートアイランド沖一文字。そこであえてルアー以外の釣り(サビキ&落とし込み込み)を味わおうと、6月20日に釣行した。後半のチヌ(クロダイ)は不発に終わったが、サビキのアジは望外の良型が二ケタの釣果。楽しい釣りとなったのでリポートする。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)

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釣行はまだまだ警戒心と一体で

6月19日からは全国で移動制限が解除され、観光・レジャー産業の復興が謳われるなど、新型コロナウイルスとの向き合い方は新たなステージに入ったようだが、今までのことがなかったかのような日常は訪れていない。釣行はまだまだ警戒心と一体で、いわゆる「3密」を避ける自制的な行動と、感染の可能性に対抗する自己防衛がお互いに求められる。

私も自己防衛対策として、マスク、手指消毒液、薄手のゴム手袋、アルコールティッシュなどを持参した。夏を控え、マスクを外す時と着ける時との切り替えをしつつも、釣行を1枚のマスクで通すのは衛生面でも好ましくない。マスクは交換用に数枚持参することを是非おすすめしたい。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】油断せずしっかり感染症対策(提供:WEBライター・伴野慶幸)

タックルとエサ

私はあえて、ルアー以外の密かな楽しみを味わおうと、当日は朝マヅメに小アジ狙いのウキサビキ釣り、後半はチヌの落とし込み釣りという2段構えの作戦を立てた。

ウキサビキのタックルは、軟らかい投げ釣り用の竿にスピニングリール、ミチイト6号に遠投サビキ用の20号遊動ウキをセットし、6号バリにエダス1.5号のサバ皮のサビキと重めのドンブリカゴを接続する。カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介した。

また、上下からまきエサのアミエビをサビキの周りにまとわせて連掛けを狙い、巻き上げの際にはテンションを極力少なくしてバラシを避ける工夫も施した。さらに、良型のアジやサバも拾えればと、マイクロベイトに似せた最小サイズのワームを2か所のサビキバリに刺し、アクセントとした。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】当日の仕掛け(提供:WEBライター・伴野慶幸)

落とし込み釣りのタックルは、落とし込み専用ザオ3.9mとリールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けとハリスは1.5号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。エサのイ貝は別の場所で採取して持ち込んだ。

松村渡船の状況

今回私が利用したのは松村渡船。土日祝用の灘浜出船場に着いたのは釣行前夜の19日の深夜23時40分ごろだったが、それでも始発便は大幅な前倒しで既に出船していた。この時期の渡船は、好調な釣況に誘われて多数の釣り人が訪れる一方で、コロナ対策として乗船密度を下げる必要性から、深夜出船の特別ダイヤ編成になっている。

当日は土日祝とあって、3人の船長がフル出勤で、駐車場整理のスタッフと連携しながら、現場で対応にあたっていた。私が乗り込んだ2番船は、約40人の釣り人が誘導されながら、コロナ対策で2隻の船に分かれて乗船し、深夜1時に出船した。船内では全員がマスクを着用していた。

なお、ポートアイランド東側には、今回釣行したポートアイランド沖防波堤以外にも好釣り場の沖波止があり、松村渡船のほか数軒の渡船店が渡しているが、いずれも出船場所や出船時間が随時変動するので、各店のSNS等で釣行前に要確認。乗船時には救命胴衣の着用のこと。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】利用した松村渡船(提供:WEBライター・伴野慶幸)

ポートアイランド沖一文字

今回の釣り場、ポートアイランド沖一文字は、神戸港の湾内・ポートアイランド2期区の東端から、東西に伸びる全長600mの防波堤。基本的に平坦で幅広く、海面からの高さもさほどないので、足場がよく釣りやすい。ただし、中央付近に大きな窪みがあり、東側と西側は分断されていることから、船着き場は東端先端、中央、付け根の3か所になっている。

私は中央の船着き場で降りた。ここはルアーマンのメッカで、最近はサビキも好調なことから、一番人気の沖波止となっている。コロナ対応で釣り人同士の間隔も一定の距離をとることが必要なことも相まって、釣り座を構えるのも大激戦区。私が渡った1時発の便で早くも沖向きは満杯となった。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】ポートアイランド沖一文字略図(作図:WEBライター・伴野慶幸)

雨上がりの水潮で釣況は一変

深夜のうちは、メバリングやアジングの人がキャスティングを繰り返していたが、目立った釣果はなかったようだ。私はゴロ寝して体力を温存しようとしたが、夜間は冷たい北風が吹くあいにくの状況で、肌寒くて1時間ほどしか仮眠できなかった。

当日は大潮で朝5時ごろの満潮で、12時ごろの干潮まで下げ一方となることから、夜明けからの朝マヅメが勝負と期待していたが、雨量の多い悪天候が前日2日間続いた影響で濁った水潮となり、浮遊ゴミも各所に見られる悪コンディションとなってしまった。回遊魚が好調だった雨が降る前までの釣況からは一変し、多くのルアーマンたちが様々な手を尽くしても、小サバかモジャコ(ツバスよりさらに小さいサイズ)を拾えたら御の字という厳しい釣りを余儀なくされていた。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】水潮に苦戦(提供:WEBライター・伴野慶幸)

中アジ10匹

一方私は、出船前に船長から「数日前にアジ狙いのウキサビキで実釣し、朝7時ごろまでに中型交じりの数釣りを楽しんだ」という話を聞いていた。その時は波止から20mまでの近投で、ウキ下のタナは底に設定したという。この絵に描いたような話は、正に今日私がそうなればいいと願っていたストーリーそのものである。

松村渡船はこうした的確な情報を釣り人に提供してくれる頼もしい渡船店ではあるが、コロナ対策も重なり、何かと対応や作業に追われている時間帯も結構ある。なので、電話での問い合わせは必要最小限にとどめ、SNSで事前情報を収集して、船長からの情報は当日に得るようお勧めしたい。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】賑わう沖一文字(提供:WEBライター・伴野慶幸)

船長から得た貴重なアドバイス通りの手法で沖向きにウキサビキを開始したところ、ほどなくしてウキがボコボコッと特有のアクションを見せた。一定の速度で慎重にリールを巻いていくと、確かな魚の感触が伝わってきた。上がってきたのは丸みのある魚体の20cm余りの中アジだ。小アジ狙いのつもりだった私の期待を大きく上回る獲物に、喜びと驚きが合い混じる。

時合いを逃すまいと続行すると、5分と空けずにアタリが続く。しかもサイズは中アジばかり。急遽ジグサビキを試みた人もいたが、掛かるのは上層の小サバばかり。1人釣果を積み上げていく私をうらやましそうに見るルアーマンたちの視線を感じて、少し申し訳ない気持ちになった。タックルの工夫も釣果に結び付いたのだろうが、何と言っても船長からの実釣体験アドバイスあってのことと内心感謝しきり。予定していた朝7時までに、10匹の中アジを手にすることができた。

サビキ釣りで望外の中アジ10匹に満足【ポートアイランド沖一文字】中アジ10匹をキャッチ(提供:WEBライター・伴野慶幸)

落とし込み釣りはアタリを逃し、10時に納竿

7時からは落とし込み釣りに転じたが、引き込む感触あり、イ貝だけが潰された結果ありと、3回もアタリがありながら、ヒットさせることができずタイムアウト。結局中アジ10匹の釣果のまま納竿し、10時の迎え便で波止を後にした。

迎え便の船内も全員がマスク着用で、他の防波堤から帰る釣り人も順に乗り込んできたが、何人かはマスク越しに笑みを浮かべていた。それもそのはず。ルアーマン達は奮わなかったが、アジやタコ狙いの釣り人の中には、二ケタ釣果に恵まれた人もいて、ホクホクの面持ちだった。

私は落とし込み釣りの不発が心に残り消化不良気味。どうしてもチヌが釣りたいと急遽、午後は別の釣り場に移動してリベンジに挑むことにした。自宅に持ち帰った釣果の中アジは、唐揚げにして賞味したが、絶品だった。

今後の展望

タコジグやタコエギで波止の壁際を探り歩くタコ釣りは、梅雨明け後の7月いっぱいまでは楽しめそうだ。チヌ狙いのヘチ釣りや落とし込み釣りは、イ貝か岩ガニのエサで夏に盛期を迎える。人気の青物やアジなどは、回遊状況に左右されるので、渡船店や釣具店などのSNSで細かく情報収集して、釣行のタイミングを逃さないようにしてほしい。

<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>

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