6月初旬に高原川へフライフィッシングに出かけました。日中からライズがある状況で、夕マヅメまでアマゴの快引を堪能できた釣行をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・櫻井忠行)
高原川でフライフィッシング
今回は、富山県と岐阜県境から上流に位置する『高原川』は、神通川水系の渓流です。飛騨市と高山市をまたぎ、源頭は北アルプス穂高になります。高山市・栃尾で平湯川と蒲田川に分かれ、蒲田川は新穂高で右俣谷・左俣谷に分かれます。流程は長大で60km近くに及びます。
本支流全域で渓流魚が生息しています。ニジマスもいますが、主に本流域で放流されています。最大の支流は双六川。上流域は本格的な源流釣り場となり、ロッククライミングの技術がないと遡行できません。
高原川は放流が安定
高原川の最大の特徴は、放流が安定していることです。高原川漁業協同組合では、いち早く効果の薄い成魚放流を止め、稚魚放流・発眼卵放流に切り替えています。そのため、魚のクオリティーは高く、美しい渓流魚と出会えます。
今シーズンは、今のところ大きな出水もなく、雪代も少なく推移しました。前年の台風の影響も少なく、サカナの数は多いでしょう。
タックルと釣り方
釣行したのは、6月初旬。梅雨入りの直前だったので渇水ぎみですが、曇天でフライフィッシングには絶好の日よりでした。当日は、大学時代の先輩に同行していただきました。首都圏から遠路はるばる高速を飛ばし、富山の自宅で合流。荷物をまとめて国道41号線を南下しました。
高原川本流の釣りは長いロッドが有利です。対岸の岩盤を狙うには、長い竿で流をまたぎ、メンディング(フライラインの位置を修正しドラグを回避する)して流す必要があるからです。また、本流ではほとんどの場所で障害物もないので、気持ちよくフルラインを出してキャスティングができます。
ライン指定は4番。40cmを超えるサカナも多く、下流域ではニジマスが掛かることも多いからです。リーダーは6Xを使い、ティペットは7Xまで。サカナは多いのですが、釣り人も多くスレているので、太い糸では見切られることがあります。私の場合、リーダーとティペットの総長は18ft。長さは、キャスティング能力によっても左右されます。コントロールできる長さで調整してください。
ライズあるもヒットせず
当日は気温21度。数週間前に釣行したときは、豊富なライズに恵まれ、良型を多数キャッチすることができました。
谷に降りて準備をしていると、今回も目の前のプールでライズしています。はやる気持ちを抑え、慎重に対岸に渡りキャスト。サカナはやる気満々なのですが、フライはむなしく通過するばかりです。
ダメ元でフライを逆引きしてみると、下流でみていた先輩が「サカナが凄い勢いで毛針に突進している!」と叫んでいます。しかし、フッキングには至らず。アピールは強烈なのですが、逆引きは手元に伝わるインパクトが強く食いが浅いようです。
27.5cm頭にアマゴ連発
流れの速いところを狙うと、小気味よく「バシャッ!」とフライに出ました。前述したように長いリーダーとティペットなら、十分遅アワセで乗ります。広い流れの中をぐんぐんと走るサカナ。エメラルドグリーンの流れに、銀色の閃光が乱反射しています。ネットですくうと、しみじみと充実感に満たされます。
その後は釣り上がりながら、順調に釣果を重ねます。当日の傾向として、流れがあるところのサカナはフライを選り好みしません。#14のパラシュートパターンで十分です。それに対して、流れの緩いプールでライズしているようなサカナには、CDC(カモの毛)を使った繊細なパターンが効きました。
サカナは最大で27.5cmのアマゴ。ツ抜けしたかな?という程度でした。
夕マヅメは上流部で連発
一度戦線離脱し、ちょうど夕マヅメの時間帯に復帰。さらに上流区間に向かいます。すでに薄暗くなってしまっていたので、慌てて竿を継ぎます。そこかしこで「バシャッ!」という鋭いライズ音が聞こえます。
川面に対峙すると、流のあちこちに白い水柱が立っています。もう夢中です。バンバン釣りました。時々振り返るのですが、うしろの先輩の竿も常に曲がっていました。羽化していた虫はエルモンヒラタカゲロウ。終わりごろはヒゲナガカワトビケラも出ていました。夕まず時の毛針はなんでもよく、薄暗いので視認性を重視した大き目の毛針がいいでしょう。
短時間ではありますが、やはり10匹以上は釣ったと思います。この区間は、ニジマスが多く、豪快なファイトを楽しむことができました。