梅雨を迎えて、メバルが元気だ。特に今年は大阪湾奥に当たる大阪南港、大阪北港、堺港などで日中に良型メバルがよく釣れているという。6月17日、エビ撒き釣りで狙った。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
デイゲームで良型が釣れる
メバルといえば、メバリングなどに代表されるようにナイトゲームの方が活性も高くて確率も高いとされていて。デイメバリングはやや上級者向けの釣り方といえる。そんなメバルが日中のエビ撒き釣りで良く釣れているという。
大阪北港の沖波止へ渡すたまや渡船は平日は人が集まれば出船し、数日前にホームページで出船予定が掲載される。6月17日は天気も良く出船するとの情報が入り、年間を通じて大阪北港をホームグラウンドとする新宅さんとともに朝5時の一番船に乗船した。
バラエティー豊富な釣り物
この日は平日というのに20人以上の釣り人が集まっていた。狙いはエビ撒きのメバル、岸ダコ、グレのフカセ釣り、落とし込みのチヌ、ショアジギングなど、バラエティー豊かな釣り物で知られるだけに各自が、お好みのタックルを持ち、各沖波止へ散っていく。
新宅さんと上がったのは通称・関電波止。地続きではあるが、地方からは入ることができず、渡船利用でのみ入ることができる。その先端部にある赤灯台周辺が現在、メバルがよく釣れている場所だという。
エビ撒きの2つの釣法
新宅さんによると、メバルのベストなポイントは外側の先端より少し戻ったところだが、基本的に内側、外側両サイドで釣れるとのこと。そこで、私は外向きでエビまき釣り師3人と並び、新宅さんは内向きに釣り座を構えた。
新宅さんに教えて貰ったデイメバルの釣り方は2種類。一つはウキを使ったいわゆる、定番のエビ撒き釣り。もう一つが軽いオモリを使った胴突き仕掛けでの流し込み釣りだ。
ウキ釣りの概要
メバルは波止回りの捨て石やシモリのある場所で、底から少し浮いているとのこと。そこで、新宅さんの指示はウキ下5.5ヒロ。ここから状況に応じてウキ下を調整していく。タナが深すぎて、さしエサのシラサエビが底へ近寄り過ぎるとガシラがすぐに掛かってくる。
そんな時は徐々にタナを上げていく。メバルは活性が高いと浮き気味になるので、エビをまいていて活性が上がれば浅めのタナで入れ食いになることもある。
ウキ釣りの場合は頻繁な誘いがコツだ。仕掛けがなじんだ頃を見計らって、軽くチョンと竿先で仕掛けを引っ張ったり、潮が動いていれば流すのを止めることで仕掛けが浮き上がる。ラインを緩めれば浮いたエサが沈むのだが、その沈み際に食ってくることが多いそうだ。
胴突き流し込み釣りの概要
胴突き2本バリ仕掛けを使って、オモリは2~3号程度を付ける。これでブッ込み釣りのように少し投げ込んで、まずは仕掛けを着底させる。そこから1度、底を切って再び今度はテンションを掛けながらゆっくりと落とし込む。落とし込むというよりは、海底より少し上をフワフワさせるイメージだ。
潮が流れていれば、時折、底を取りながら浮かせては潮に乗せて流し込んで広い範囲を探る。ただし、オモリに対しての沈下速度など、慣れないと自由自在なタナを攻めることが難しい釣法だ。
当日の状況
当日は雨後の流入水の影響か、波止の内側に当ててくる表層の潮がすこぶる速く、波止の先端をかすめて沖へ払い出している。ただし、流れているのは表面の15cmほどでその下は逆に流れるか止まっている完全な2枚潮だ。
ウキ釣りではシラサエビを上まきしても強烈な2枚潮でさしエサとの同調が非常に難しい。そこで、底まき器で5ヒロ程度のタナにまきエサをダイレクトにまくが、メバルの活性が上がってくれない。
タナを幅広く探っていると、少しエサが捨て石に近づいた瞬間にガシラが入れ食いだ。これはこれで楽しいのだが、やはりメバルが釣りたい。
流し込みでメバル20cm登場も
やや内側の2枚潮が緩やかになってきたかな、と思っていると、内向きで流し込んでいた新宅さんが「きたよ~」と声を掛けてくれた。流し込んで着底寸前にヒットしたのは20cmを少し超えるメバルだった。新宅さんもかなりガシラの猛攻に苦戦していたが、さすがだ。
しかし、「いや、こんなメバルじゃなくて、もっと大きいメバルが釣れるハズ」と新宅さん。話を聞くと、このポイントで数日前には34cmまで引きずり出していて、このところは27、28cmの大型メバルが連発していたとのことだ。
おそらくは強烈な2枚潮の影響で、釣りづらいのと、底潮の具合が良くなく、潮に敏感な大型メバルの活性が極端に下がっているのだろうという結論に達した。今年は極端に大型メバルが釣れているが、例年はもう少し先までメバルが釣れるとのことで近いうちにリベンジに出かけたい。
当日の大阪北港
ちなみに、当日はオキアミのフカセ釣りでグレは入れ食い状態だった。サイズは20~27、28cmが中心とのことだったが、この時期は30cm級のグレも釣れるのでこちらも楽しみ。
また、マダコは今年はかなり好気配で、すでに100~200gの新子に交じって、当日も1kgクラスの親ダコが上がるなど期待十分。釣り方は垂直護岸でのタコジグ使用の釣りか、タコエギでのキャスティングだ。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>