北但馬(兵庫)を流れる矢田川は、アユシーズンともなれば下流域は天然遡上の稚アユを狙ったドブ(毛バリ)釣り、中流部ではトモ釣りで賑いを見せる。そんな矢田川で、ドブ釣り・トモ釣りと二刀流の釣りを楽しんでみたい方にお勧めのスポットを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・森雨魚)
下流部はドブ釣り
矢田川下流の大乗寺橋(森橋)から由良橋の区間は、天然遡上の稚アユが深場に群れ、解禁日にはドブ釣り銀座となる。マナーのいい地元釣り人をはじめ、多くのドブ釣りファンが早朝からサオを出す。ご自慢の毛ばりをチョイスして、1本バリや2本バリ仕掛けで200~300匹と釣果を伸ばす。
7~12cmの天然遡上稚アユが穂先を優しく刺激するようにハリ掛かりすると、何とも言えない緊張感のスリリングなやり取りが楽しめるだろう。
毛バリは播州毛バリが主流となるが、特に「茶熊・青ライオン」が、イチ推しの毛バリだ。テンビンオモリ仕掛けでゆっくりと川底に沈め、流れに同調させるように上下に誘いを掛けると、流下する水生昆虫に似せた毛バリに稚アユがアタックしてくる。
ハリ掛かりした後は、ゆっくりと魚体を上流に向けたまま水面へと引き上げ、水面を滑らせるように静かに取り込むのがコツだ。
スモール・ゲームにして奥が深く、当日のアタリバリを引き当てると入れ食い状態になり、生かしビクはすぐに賑やかに!数釣りを十二分に楽しもう。
中流部はトモ釣り
また、トモ釣りとなると中流部がお勧め。サオ釣り専用区が数か所あり、中でも矢田川本流の射添地区が私のお気に入りポイントだ。このエリアは、入川もしやすく川相が道路からも十分に確認でき、隣接するオトリ店も近い。また、毎年解禁当初には好釣果が出ている実績場だ。
川幅はやや広く、8.5mまでの中硬調のアユザオで十分に対岸ポイントまで探れ、追い気の旺盛な野アユが瞬時にチェイス&アタックしてくる。
ゆっくりとチャラ瀬からサオを出し、時折オバセを掛けながら慎重にリサーチ。「まずは1匹」を念頭にチャレンジしたい。
地元では、ナイロン・フロロカーボンの細ラインの泳がせ釣りが主流だが、引き釣りにも対応できる複合ラインが便利だ。追星のある若アユが目印を瞬時に引き込み、一気に下るとスリリングなファイトを全身に感じ取れることだろう。
ハリは、3本、4本イカリのいずれでもいいが、細軸・先鋭なハリ先のための効くハリを使用したい。荒石の多いエリアだけにハリ先チェックは欠かせない。3本イカリなら6.5~7.0号、4本イカリなら5.5~6.0号が目安になる。
釣りの後は
釣りを終えた後は、近くの温泉でゆったりと疲れを癒し、但馬牛・松葉ガニなどの料理に舌鼓を打つもよし、日本海の幸のショッピングもいいだろう。初夏の矢田川の釣りはもちろん、「ようき(来)んさった!」の歓迎の言葉で、十分に満足していただけることだろう。
<森雨魚/TSURINEWS・WEBライター>
矢田川漁協