3月20日、和歌山県田辺市の芳養漁港へ、チョイ投げでキスを狙って釣行した。2月初旬に同じく芳養の大屋でキスの釣果が得られたため、港内のチョイ投げでも釣れるのでは?と思い、試してみた次第だ。予想通り港内でキスの魚信をとらえることができ、釣果は18cmまでを6匹。キスの始動を実感する釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
田辺湾周辺でキス狙い
サクラが咲き始めた。ウグイスの鳴き声も聞こえ、本格的な春の到来が感じられるようになったが、海水温は気温から約2か月遅れで上昇するので、海の中はまだまだ冬の様相である。ルアーフィッシングや波止ではガシラやメバルが主役である。
しかし日並みによってはじわじわと水温が上昇し、知り合いのキャスターからは泉南では戻りガレイが動き始めたという情報も聞いた。そうなってくるとキスの動きも気になってくる。2月初旬に、田辺・芳養の大屋の磯からのキス釣りをリポートしたが、気温の高い日が続いていて、田辺湾の周辺では遠投できれば十分2ケタ釣果が望めるだろう。
ちょい投げで狙う
そこで今回は、もっと手軽にキスが狙えれば面白いと考え、少々無謀かもしれないがちょい投げで試し釣りしてみた。場所は芳養漁港、中浜バス停に近い小さいほうの漁港の波止を釣り場に選んだ。数年前、3月下旬に20匹近く釣ったことがあり、キスが入っている可能性が高いと考えたからである。
午後からの釣りで、3連休の渋滞もあり午後4時からのスタートとなってしまった。日暮れまでの2時間ほどで、どのくらいの釣果が出せるか?
内湾用のシーバスロッド9ft(Lクラス)を継ぎ、中型投げ専用リールにPEライン0.8号、チカライトもPE1~7号、オモリはL型8号固定式、仕掛け全長80cmの2本バリ(キス6号)で港内を探る。
低活性対策は超スローな探り
最初は港内の最も奥の護岸から投げる、距離は60~70mほど。2色ゾーンでモゾモゾアタリがあったが、ハリに乗らない。水温が低くて吸い込みが悪いためである。しかし、港内にキスが入っていることは間違いない。3投目でようやく13cmクラスを手にする。今シーズン初のチョイ投げキスの釣果に、うれしさが湧いてくる。
その後、港内の白灯の手前から港内に向けて投げ、激しいシグナルをキャッチすることに成功、18cmのまずまずのキスを手にする。キスの活性はまだ低いので、アタリは本当に散発的。しかも引く速度をかなり遅くし、置きザオ気味で超スローの引きでないとキスに出あえないような感じである。それでも天気がよかったので港内をちょい投げで探るアングラーがちらほら見受けられた。
最後に、白灯波止の向かい側の小さな波止に移動、一度大きな魚信があったがハリに乗らなかった。めげずに探り、小型だったが2匹を手にして6時過ぎに終了する。
最終釣果と今後の展望
2時間少々のチョイ投げ、試し釣りだったが、キスは18cmまでを6匹。いささかフライング気味のちょい投げキスをスタートさせることができた。
ここは小さな漁港であるが、上げ潮に乗って狭いミオ筋を通って港外の砂地からキスが入ってくる。手軽に狙えるので地元のアングラーに親しまれているようだ。水温が上がってくると港内のチョイ投げで20cmオーバーがサオをひったくることも多く、ライトタックルだと激しい魚信にしびれることができる。軽いオモリで少しずつ投点をかえて静かに狙えば、港内で2ケタ釣果も十分可能である。若干根掛かりもあるので、短めの仕掛けの方が扱いやすいと思う。
春先になると、潮位の変化が大きくなるので、この漁港の隣の砂浜や、浜の両サイドの磯場からもキスが狙える。新芽が芽吹く季節になると水温が安定してくるのでキスの活性も上がり、ちょい投げの本格始動となる。
<牧野博/TSURINEWS・WEBライター>
芳養漁港