3回に分けてお届けする「源流釣り」シリーズも今回で最後。今回は「源流域でイワナをどう釣っていくか」について、具体的に解説しよう。
第1回「最高難易度&最もマニアックな『源流釣り』とは 秘境で野生魚と対峙」はコチラから
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 茨城・上谷泰久)
ファイトは強引に
続いてファイトについてだが、近くに隠れ家の横穴や大岩の下などがあると、大型はハリ掛かりすると必ずそこへ逃げ込む。十分すぎるくらいの強度のイトを使って、力勝負で強引に仕留めるといい。
細いイトを使ったテクニカルな釣りにこだわる人はいるが、個人的には「太い、見え見えのラインを使って賢い大型に口を使わす」ことが腕の見せ所だと思っている。
源流釣りのアワセ
アワセのタイミングはとても重要。イワナは「掛かりが浅く水際でバレる」か「ハリを飲み込まれる」の極端な状況がとても多い。
この魚は、まずエサを口先でくわえて、何かのタイミングでスポッと飲み込む。相手が大物だと分かっていた場合「しっかり飲み込ませたい」と思うだろうが、幾多の危機を生き抜いてきた大型は十分すぎる時間を与えてもなかなか飲み込んでくれないもの。
こうした相手へのアワセのタイミングは、とてもワクワクする瞬間だ。
ハリを飲んだ魚でも、なるべく元気な状態でリリースしてあげたい。スムーズにハリを外せるように練習しておこう。
安全な釣行のために
源流はとても楽しい大人の遊び場だが、危険がともなう。大ケガしてしまっても携帯電話は圏外で助けを呼ぶことはできない。特に単独釣行の場合、徒歩数時間の山中で足に大きなダメージを負うということは死に直結する。決して無理せず、安全に帰宅することを心がけよう。
「きょうはここまで」、「次回はもう少し奥まで」と、1シーズンかけて1つの川の地図を完成させていくぐらいのペースが無難。
急斜面や岩壁の攻略
①途中まで登る②一度、降りる③再び、下から見上げて確実に安全な足場やホールドを確保。これをクライムダウンという。
疲れない足=健脚が重要
長い道のりを歩き続けても「疲れない足」が最も頼れる武器。源流釣りは腕自慢より足自慢。「健脚」という言葉がもっとも誉れの称号だ。体力が消耗してくると気が付かないうちに足は上がらなくなり、木の根っこにつまずいたり、岩場で滑ったり、集中力が欠けて安定しない石に足を置いたりしてしまう。
私は100kmマラソンを完走できるほど鍛え上げて、走れる足を最大の武器にしている。