栃木県塩谷町にある東古屋湖は、那賀川水系西荒川に建設された西荒川ダムによって堰き止められた人造湖だ。フライ、ルアー、エサ釣りと多彩に楽しめ、3月7日に解禁を迎えた同所の紹介をしよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)
東古屋湖は特大ニジマスが魅力
東古屋湖は漁業権が設定されており、鬼怒川漁協によって管理されている。このダム湖の人気を支えているのが、「ナナマル」「ハチマル」と呼ばれる特大のニジマスだ。
放流魚主体の釣り場で、ダム湖を利用した巨大管理釣り場の感は否めないが、自然のフィールドでこれだけ特大のトラウトが釣れる釣り場は、北海道を除けば一部の湖沼に限られる。
例年、2月下旬に特別漁獲調査が実施され、3月の第1土曜日に解禁。漁期は12月30日までだが、夏期は水位が低く、高水温となる。釣りになるのは、水位が高い3月から5月と10月から12月。
様々な攻め方が可能
夏期に湖底が現れる場所は、草や低木が生えており、ストラクチャーを形成している。魚の着き場となっている一方、ラインブレイクなどに注意が必要だ。小規模なダム湖なので、インレットとなる上流の東古屋橋からダムサイトまでは手漕ぎボートでも30~40分で移動できる。
釣法はルアー、フライ、エサ釣りのほか、混雑時以外はトローリングも許可されている。持ち帰り制限がないので、エサ釣り師が多く、大型魚狙いのルアーマンも多い。遠征組やルアーマンはボートでの釣りが中心、地元やフライマンは陸っぱりから狙う人が少なくない。
水温が高くなると、魚は深場に移動しがちだが、同湖は毎週成魚放流が行われているので、比較的表層での回遊も見られ、陸っぱりからの釣りも成立する。
シーズン毎のポイント
初期は浅場が有利。東古屋橋下流、キャンプ場前、管理事務所前、松手沢ワンドなどだろうか。但し、解禁直後は氷が張って釣りにならないことがあるので、事前に確認することを勧める。
水温が上昇するゴールデンウィーク以降や初秋の10月から11月にかけては、深場に分がある。同湖の最深部は25m。管理事務所対岸、旧松手沢筋、ダムサイトの中層から底層が釣りの中心となる。
ルアー&フライの釣り方
ルアーの場合、低水温時はミノーイングで表層を狙う。高水温時は、スプーンを底まで沈めて、底層から中層をジャークで探る。
フライは、低水温時はキャスティング、高水温時はゾンカージギングやダウンショットがいい。ワカサギやウグイなどのベイトが生息しているのでストリーマーの反応がいいが、水生昆虫のハッチも多いので、ニンフやドライでも釣れる。適水温時には、表層を回遊する大型魚が目視でき、サイトゲームを楽しめる。
対象魚
釣れる魚はニジマスを中心に、入荷状況によりヤマメ、イワナ、サクラマス、ブラウントラウト。釣りごろの25cm前後から70cm、80cmを超えるものまでサイズは様々。
大型が掛かると重量感のある引きを楽しめるが、養殖魚のため引きはそれほど強くはない。慌てずじっくりと対応すれば、確実に取り込むことができる。