魚釣りをする人なら一度は出会ったことがあるであろう「ネンブツダイ」。お目当てのサカナを釣るより先に釣れてしまうため、ゲストの代表魚として知られています。見たことはあっても意外と知らないネンブツダイの生態と飼育方法を紹介します。
(アイキャッチ画像出展:PhotoAC)
ネンブツダイを持ち帰った後
見事、持ち帰ることに成功したネンブツダイですが、いきなり水槽にドボンと入れてしまうと、水温や水質の変化に耐えられず、ものの数時間で死んでしまいます。
水温や水質の変化に弱い
徐々に水槽の海水に慣れさせる必要があります。
エアレーションしている容器に少しずつ水槽の海水を入れていきます。15分に1回程度のスピードで100mlくらいを容器に入れていきます。
2時間くらいかけてゆっくりと水に慣らしていきましょう。
こうすることでネンブツダイは新しい水槽の水に少しずつ慣れていき、新しい水槽に移してもショックを受ける心配がなくなります。
移動させるときも優しく
水槽の水に慣れたら、準備していた水槽に移動させましょう。
この時、網ですくって入れてもいいのですが、この方法だとあまり優しくありません。小さな容器を使って、海水ごとすくってあげてください。
そして、新しい水槽に容器を沈め、ネンブツダイを放ちましょう。こうすることで、必要以上に空気に触れることもないので、サカナへのストレスを軽減させることができます。
同じ要領で捕まえてきたほかのサカナも移動させれば、水槽の完成です。
エサは甲殻類が好き
ネンブツダイに与えるエサについては、市販の甲殻類系のエサで問題ありません。
これは筆者の経験談なので、あまりお勧めできるかは分かりませんが、筆者が以前飼育していた時に使用していたエサは、お好み焼き用の「エビ」や「ちりめんじゃこ」でした。
もちろん無添加である必要はありますが、こういったものでも、エサの代用にはなります。エビは匂いも強いので、お腹が空いてくればネンブツダイが水面付近までやってきて勢いよく食べるシーンを見ることができるでしょう。
楽しく釣れて、飼育も簡単
目的のサカナがいる時は、ネンブツダイばかり釣れて「またお前か!」「もういいよー」と邪魔者扱いをしてしまうかもしれません。
しかし、実はきれいな色をしていて、目も大きく愛くるしい顔をしています。簡単に釣れて、飼育も簡単なネンブツダイを是非飼育してみてください。
今のところ、専門的に飼育をしている人はほとんどいないため、参考にするものは多くないかもしれませんが、熱帯魚には近縁種の「マンジュウイシモチ」などがいます。
飼育に行き詰ったときにはマンジュウイシモチの飼育方法を参考にするといいでしょう。ぜひ日本初のネンブツダイブリーダーを目指してみて下さい。
<近藤 俊/サカナ研究所>