『渚釣り』はサーフからチヌ(クロダイ)をフカセで狙う釣り方です。中には、変化の乏しいサーフで行うフカセ釣りと聞いてもピンとこない方もいるかもしれません。そこで今回は、サーフからチヌを狙う『渚釣り』を、実釣記も交えて解説します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
三保真崎海岸で渚釣り
1月30日、私の地元である静岡県の三保真崎海岸へ渚釣りに行ってきました。三保真崎海岸には、足元が階段状になっている場所があり、まずはその周辺を観察します。すると、かけ上がりが岸近くにあり、弱い離岸流が発生している場所を発見。そこに釣り座を構えることにしました。
今回は遠投出来るように道糸にPEラインを使用し、ウキは遠投できる大きめのものを使用しました。
PEラインは慣れないとトラブルの原因となるのでセミサスペンドかサスペンドタイプのナイロンラインもおすすめです。
かけ上がりはフグだらけ
先に撒きエサを準備してあらかじめポイントに15杯ほど撒いておきます。こうすることで仕掛けを準備している最中にも撒きエサが効いて魚を集めてくれます。厳寒期なので多めに15杯撒きましたが、水温が高い時期は撒きすぎるとエサ取りだらけになることもあるので少なめにしておきましょう。
10時半にゆっくり釣りを開始し、まずはかけ上がりを攻めますがフグが多く、柔らかいエサは瞬殺、たまにハリも無くなってきます。かけ上がりは昼前までフグの猛攻で本命の気配がないため作戦を変えてかけ上がりのさらに沖へ遠投する事にしました。
42cm本命チヌ登場
かけ上がりはフグだらけですが、少し沖へ投げるとフグが少ない様子。昼前に一瞬フグが大人しくなったので、集中していると仕掛けに違和感があり、竿を立てると強い引きに変わりました。
掛かったのは65cm位ある大きなボラ。何とかランディングした後、本命ではないのでリリースしました。
ボラを掛けた後、続けてモゾモゾとしたアタリが。これは間違いなく本命のアタリなのでソフトに合わせると、渚チヌ特有の強い引きが伝わってきます。
右へ左へと横走りしたかと思いきやいきなり沖に向かって突っ込んだりとスリリングなやり取りになりましたが、どうにかネットイン。あがってきたのは、42cmほどの本命チヌです。渚釣りの醍醐味である強烈な引きを楽しむことができました。
隣でも本命チヌがヒット
しかし、昼過ぎになるとアタリが止まってしまい、再びフグがいたずらするようになりました。すると、渚釣りをするという方が声を掛けてくれたので、休憩も兼ねて少し話をすることに。その方も渚釣りの魅力にどっぷり浸かっている様子でした。しかも、隣で釣りを開始するとすぐに本命をヒットさせ、「やっぱりサーフのチヌは綺麗だ」と、やり取り中にも渚釣りの魅力をたっぷりと聞くことができました。
残念ながら、その後は続かず仕方なく納竿することに。今回の釣果は1枚と苦戦しましたが、サーフからフカセ釣りでチヌが釣れることを証明出来た釣行となりました。しかし、まだまだ未知の釣りである渚釣り。今後もさらに盛り上がっていくことに期待です。
<杉本隼一/TSURINEWS・WEBライター>
三保真崎海岸