野釣りではアタリオデコもめずらしくない過酷な季節。だが、この時期こそ狙いたい釣り場がある。千葉県香取市を流れる長島新堀だ。良型地ベラが狙えるホットスポットに変貌するのだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース APC・中村直樹)
長島新堀の概況
今回紹介する長島新堀とは釣り人(地元の人)固有の呼称であり、ヤフー地図などには『八筋川』と明記されいる。実際、横利根川と接続する排水機場の名称も八筋川となっている。
しかしながら往年の釣り人に、八筋川と言っても「なんだそれ?」となるのが関の山。そのため便宜上、今回の釣り場名は長年の慣例を優先し長島新堀とした。同川の流程は八筋川排水機場~与田浦(西部与田浦)までの約3kmだが、今回はそのうち同機場~新中洲橋までの2.5km紹介。
以前は新ベラ放流も行われたが現在はなく、与田浦と横利根川・網外から入り込む魚、それと居着きの魚がターゲットだ。ヘラ狙いよりむしろマブナ釣りの人気が高く、暖期はフナ釣り例会の大型バスが並ぶほど。
過去の栄光はどこへやらの現在は超マイナースポットではあるが、例年12~1月にかけて40cm超の良型地ベラが上がることで知られ、数より型派の釣り人からはこの時期熱い視線が注がれる。
与田浦とつながっている川なので中小ベラのイメージがつきまとうが、厳寒期は不思議と小ベラはあまり姿を現さない。
これはあくまで想像だが、横利根川・網中から逃げ出した新ベラが網外にいる地ベラを引き連れて同川に入り込むのだろう。そして新ベラと地ベラとでは居着く場所が異なるため、釣れると良型地ベラという図式となるのではないだろうか。
いずれにしてもこの時期は数より型が魅力の釣り場。1枚の価値を求めてじっくり寒ベラ釣りに没頭するのも悪くはないはずだ。
ポイント
流程と並行して一般道が走っている北岸は駐車スペースがほとんどなく不人気。そのため釣り座は南岸に集中している。
八筋川排水機場~長島橋
この時期のメインポイントで、釣り人はこの付近に集中する。ただし同機場寄りは大型外道が多いので外したほうが無難。今期も常連が連日のようにエサを打っているので、魚種を問わずアタリ数は多い。水深は平均で1本半。
八島橋~境橋
駐車スペースが広い所が多く流程も蛇行したりと変化に富むが、全体的に浅いので春先に狙ってみたいポイントだ。水深は平均1本ほで、境橋から下流は1本半。
舟小屋付近
大きく直角カーブする手前で雰囲気は抜群、水深が2本以上ある流程の最深部。厳寒期の実績はあまりないが、モジリなどがあれば狙ってみたい。
釣り方とエサ
川幅は平均して15mなので、竿15~16尺で流心を狙える。常連は13~15尺をよく振っているが、アタリがない時は17~18尺まで伸ばしてみよう。
エサは両グルテンメインで、アタリが遠い時はペレット顆粒をまぶしたり、時どきダンゴを打ってもいいだろう。
釣り方は流れの強弱に合わせてバランスの底、ハリスオモリ、ドボンと使い分ける。緩い流れが常にあるのでバランスで狙える機会は少なく、何かしら仕掛けを止める工夫が必要だろう。
オススメはハリスオモリ。ドボンよりもアタリが多く、前触れが出るのでアワセ遅れなども少ない。
ガン玉または板オモリを下ハリスに上バリの位置(仮に段差10cmなら下バリから10cm上の下ハリスに付ける)に固定。オモリ量は流れの強弱に合わせて調整し、ナジミ幅を安定させるためエサ打ちは常に振り切る。
振り込み前にハリスのヨリをほどいて、2本が離れた状態にするのをお忘れなく。巻き付いたままナジんでしまうとアタリが出にくくなる。
ジワジワと流される程度ならそのままでいいが、エサのハリ抜けは厳禁。引きずられてもしっかりハリに残るように、グルテン繊維の強さやタッチを工夫したい。
ただしそれも限界なら、潔くドボンに切り替えよう。動くエサは追わず、止まったらいきなり食いのスイッチが入ることもめずらしくない。
<週刊へらニュース APC・中村直樹/TSURINEWS編>
長島新堀(八筋川)
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