伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「セットアップを用いたセット釣り」。初回は特徴やなぜこのエサが必要なのかを紐解いてみる。すると、粒戦というセットアップとは切っても切れない存在が関与していたことがわかった。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
TSURINEWS編集部
2020年1月6日
ヘラブナ釣り 淡水の釣り
現代のセット釣りは、正直言って難しい
現代のセット釣りは、正直言って難しい。万年中級者の記者からすると難解極まりないとさえ感じる。とくにあのバラケエサ。「あんなボソボソのエサをよくハリに付けられるな」と、半ばあきらめの境地だ。
伊藤 さとし
「記者さんはそもそも管理池にあまり行かないクチだからそう思うんだよ。冬の管理池に通う人にとって、セット釣りは避けて通れない必須の釣り方だからね」
粒戦が発売される前なら、まだ私にだってある程度はバラケエサのハリ付けが出来たんです。でもあのエサが登場して爆発的人気になってからはあのボソボソ感がネックになって触るのをやめてしまったんです。
伊藤 さとし
「だったら粒戦を使わないバラケでやればいいのに?」
何度か試しましたが、みんなが粒戦を使うようになると魚もそれに慣れてきたと言うか、粒戦なしのバラケでは釣り切れなくなりました。まあ半分は言い訳ですけど。そうではありませんか?
伊藤 さとし
「確かに現代のセット釣りでは必要不可欠なアイテムになったかもしれないね」
ボソボソ感を緩和してくれるエサ
要は粒戦のあのボソボソ感を緩和してくれるようなエサがあればいいのですが。
粒戦のボソボソ感を緩和してくれるセットアップ(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
伊藤 さとし
「そのように感じてる人って、もしかしたら記者さんだけではないかもよ。そもそもセットアップの開発に着手した要因の一つがそこなんだし」
と言いますと?
セットアップは粒戦と同時に使うべし
裏書きにも粒戦と配合が記載されている(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
伊藤 さとし
「つまりね、粒戦のあのボソボソ感がハリ付けの難易度を上げているわけだよね。ところが現代のセット、とくに厳寒期に粒戦なしのバラケエサはほぼあり得ない。であれば粒戦特有のハリ付けに対するデメリットを緩和させるものがあればいい。しかも粒戦が持つ特徴を殺さずにね」
それがセットアップ?
伊藤 さとし
「そういうこと。だから基本的にはセットアップは粒戦と同時に使うべきエサと位置づけられているわけ」
要はエサにまとまりをもたせるわけですね?
伊藤 さとし
「そう。それでいてバラケ性はしっかり確保する。まとまりがいいイコールネバリがあるわけだから、ややもするとバラケ性を阻害しかねない。そうならないように開発されたのがセットアップと言えるよね」
セットアップと粒戦は相思相愛!?(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
粒戦とセットで使うのがセットアップだとするなら、粒戦(粒系)を使わないバラケにセットアップは必要ない?
伊藤 さとし
「極論すればそういうことになるよね。入れても構わないけど、なぜ入れるかの目的がないと意味がないし。でもこれからの時期のバラケで粒戦を使わないセット釣りって、正直イメージが湧かない。そのくらい現代のセットにおいてペレット顆粒は効果が高いエサなんだよね。それとこれはあまりには釣りには関係ないけど、ペレット顆粒を使えば魚を育てることにも一役買えるしね」
そう言えば養魚場とかでは、おもにペレットをエサに飼育してますね
伊藤 さとし
「釣りに使うペレットの量なんて正直タカが知れてるけど、それだって少しは既存の魚の成長に役立てるだろうしね」
うーん…面白い考え方ですが、確かにそれは言えますね。では私も釣れなくてもいいから、バラケに粒戦を使って魚の大型化に貢献しましょう。もちろんその時はセットアップを同時に使って。
伊藤 さとし
「理由は何でもいいから一度踏み込んでセット釣りをやってみるのも悪くないかもね。陰ながら応援してるよ(笑)」
次回も「セットアップを用いたウドンセット」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし /TSURINEWS編>
▼この釣り場について
富里乃堰
電話番号:L0476(92)2281
この記事は『週刊へらニュース』2020年1月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。