釣り人は縁起を担ぐ人が多いように思う。中でも一年の釣果を占う初釣りだけは絶対にボウズにはなりたくないものである。そこで私の専門ジャンルである投げ釣りにおいて、初釣りでボウズを食らわないポイントを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)
年始の投げ釣りターゲット
年明けは大阪湾を中心に水温が一気に下がりだす時期であり、近場の釣りでは低水温を好む魚が中心となる。投げ釣りの場合、産卵直前のカレイ、走りのアブラメ(アイナメ)、根魚の代表選手であるガシラなどがメインターゲットになる。しかし少し足を延ばせば、これからの時期でもタイ系を中心に激しいアタリと引きを味わえるスポットがあるのでいくつか紹介する。
1、尾鷲市古江の岸壁
三重県尾鷲市古江の岸壁は、紀伊半島東側の尾鷲市南部に位置する。真冬でも黒潮の影響を受けて水温が安定するため、狙ってマダイが釣れるポイントである。釣り場は車横付けが可能なので寒い日などは車中からもアタリを見ることができる。
ウミケムシに注意
足元で水深が約10m、少し投げると15mを超える。底は砂泥質で根掛かりは少ないが、仕掛けを置き過ぎるとウミケムシが掛かってくる。
お勧めのエサと攻略ワンポイント
お勧めのエサはボケ、カメジャコなどの甲殻類である。また三重県内の釣具店ではウタセエビが売られているが、これも食い込みがいいエサである。これらのエサを使う時の注意点は、できるだけ大きく軸が細いハリを使って体全体にハリを通すことと、遠投の必要がないのでできるだけ軽いオモリを使うことである。私は手前のカケアガリを狙う時は10~15号まで軽くする。これによってキャスト時の身切れを防ぐことができる。この釣り場で11月に50cmと55cmのマダイを釣っている。
尾鷲市古江の岸壁
2、西宮市武庫川河口の右岸
兵庫県西宮市武庫川河口右岸のポイントは、貯木場の長い波止になっていて、一帯でキビレとスズキが狙える。これからの厳寒期はスズキよりもキビレの確率が高くなる。
手前のテトラに注意
釣り座の前に消波ブロックが入っているものの、波止からそこに降りることはできない。魚が掛かれば消波ブロック越しに一気に抜き上げなければならない。
川の中心部の深みが狙い
一般的にキビレやチヌの投げ釣りは夜に狙うイメージがあるが、この釣り場は潮さえ動いていれば昼夜関係なく魚がヒットする。エサはマムシ、コガネムシがいい。できるだけ遠投して川の中心部の深みに仕掛けを置く方がアタリの回数が多いように思う。
西宮市武庫川河口右岸
3、松江市境水道森山
島根県松江市境水道森山のポイントは、森山公民館の裏にある船揚げスロープの周辺。これからの時期狙えるのはマコガレイとスズキである。
潮が速い時は観音回しで
エサはアオイソメとユムシを併用する。水深は浅くて遠投しても5mくらいしかない。沖は砂地で根掛かりもないが、大潮時などは一時的に激流になる時がある。そんな時は無理にサオ数を出さずに2~3本程度に抑え、潮上に投入→仕掛けを流す→潮下で落ち着いたら再び仕掛けを回収という観音回しで効率よくポイントを探るのが得策だ。
腰を据えて狙うのがミソ
ひと昔前に比べて数が少なくなってしまったが、時々50cmを超えるような座布団クラスのイシガレイがヒットすることもある。この時期はエサ取りも少なくなって、間延びしてしまいポイント移動を考えたくなるが、境水道は夕方から時合いに入るケースも多いので、諦めずにじっくり腰を据えて粘って欲しい。
松江市境水道森山
<長谷川靖之/TSURINEWS・WEBライター>