始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介

大阪湾岸を始め、関西には一文字や沖波止、沖防波堤と呼ばれる船で渡して貰って釣りが楽しめる場所が多い。今回は、釣行のほとんどを関西の沖波止や釣り公園に費やしている筆者が、沖波止の魅力から注意点、そして沖波止デビューの方法などを紹介していきたい。

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沖波止デビュー5つのポイント

ここまで沖波止での釣りの魅力、そして難しさを紹介してきたが次は実際に沖波止で釣りをするためのポイントだ。誰しもが最初から沖波止に渡って釣りができるベテランではない。誰でも最初は初心者。陸続きの釣り場である程度の経験があれば、沖防波堤に釣りのフィールドを広げても大丈夫。そこで、筆者の経験から、沖防波堤釣りデビューのためのポイントを5つ挙げてみたい。

1、最初の2回は下見のつもりで

1回目は渡船そのものに慣れる、2回目は目当ての沖防波堤の様子を知る、3回目から目当ての沖防波堤で本格的に釣る・・・といった感覚で、最初から釣果を求めず、最初の2回は下見のつもりで釣行する事をお勧めする。

1回目はとにかく安全第一で場所を選び、渡船とはどういうものか、手荷物を抱えながら船と防波堤との間の行き来ができるかを体験してみよう。

2回目は目当ての沖防波堤を選び、そこでも手荷物を抱えながら船と目当ての防波堤との間の行き来ができるか、防波堤の形状や海底、海流の様子、周りではどのような釣り方をしているか・・・などの、情報収集のための一日と割り切るぐらいの気持ちがほしい。

2、釣行前の下調べは確実に

慣れない釣り場で慣れない渡船利用となれば、釣行前の下調べが大切だ。すぐに渡船店に電話して、一から十まで聞くのはNG。電話で長々と話を聞いても、実際にはすぐには理解できない。それよりも、渡船店のホームページやFacebookなどをじっくりと見て、掲載されているあらゆる情報を調べた方が効果的だ。

また、店の近辺にあるエサ店の中には、協力関係にあるところも多いので、エサ店のホームページやFacebookを見たり、釣行当日に立ち寄って店員から情報を得るのもよいだろう。

なお、下調べは防波堤や乗船場の事だけでなく、自宅→エサ店→駐車場→乗船受付場→乗船場と、一連の行動を頭に描いて、必要な場所、経路、所要時間まで調べておきたい。

3、安全対策について

大阪湾の沖防波堤は、全域で救命胴衣の着用が義務付けられている。また、船と防波堤との間の行き来や、防波堤の上での移動では、足元の安全には十分に気を配ることが不可欠だ。

さらに、タモ網の柄が短いために、無理な体勢で取り込もうとする動作は転落事故につながる。沖防波堤への釣行を決めたのなら、自分に対する安全投資の意味で、救命胴衣、靴底の滑り止めがしっかりした靴、長めのタモの柄(6m前後はほしい)を用意したい。

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介外と内向きで高さが違う波止も多い(提供:WEBライター・伴野慶幸)

4、出船時刻の1時間前に到着

初めての渡船利用の際は、下調べをしたつもりでも、分からない事は残るし、乗船手続きや手荷物を抱えての乗船に手間取る事が多い。また、どうしても船長に直接確認したい事もあるだろうし、逆に船長からの諸注意もある。

渡船店は出船時刻15分前、30分前の到着を呼びかけている場合が多いが、最初だけは時間が余って仕方ないぐらいの気持ちで、出船時刻の1時間前に到着しても、結果的にはちょうどいいかもしれない。

5、手荷物は最小限。竿は2本まで

釣果を得たいと思うあまり、手荷物が増えたりかさばったりするのは、移動の足かせになる。繰り返しになるが、沖防波堤の釣行は、手荷物を抱えての移動になる。最初だけは手荷物を最小限にして、手荷物を抱えての移動を試すつもりで釣行する事をお勧めしたい。

ロッドケースも長くてかさばる手荷物の一つ。たとえば、ルアーマンならロッドは1本に絞り、エサ釣りなら磯竿1本と防波堤の際を探る短竿1本の2本までにして、少しでも荷物をコンパクトにしたい。

始めるなら冬がオススメ?

本稿が掲載される頃には、沖防波堤も冬の釣りにかわっている事だろう。冬は寒いし気候も良くないし、釣り物は少ないし、渡船店の出船ダイヤも盛期に比べると便利さを欠く。そんな冬だからこそ、沖防波堤での釣りを始めるには都合の良い時期だと、あえてオススメしたい。

冬は釣り物が少ないかわりに釣り人も少ないので、釣り座の確保に焦らなくて済むし、渡船店の側も盛期に比べれば、接客に余裕ができる。服装は防寒具となり、着ぶくれして動きにくくなる分、手荷物を少しでも少なくしようという意識がはたらき、安全意識を持って行動も慎重になる。

そうした状況のもとで、下見のつもりで冬の沖防波堤での釣りを一連の流れで体験しておけば、気候が良くなって釣り物も増える春のシーズンをスムーズに迎えられ、釣果も上がるのではないだろうか。

<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>