始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介

大阪湾岸を始め、関西には一文字や沖波止、沖防波堤と呼ばれる船で渡して貰って釣りが楽しめる場所が多い。今回は、釣行のほとんどを関西の沖波止や釣り公園に費やしている筆者が、沖波止の魅力から注意点、そして沖波止デビューの方法などを紹介していきたい。

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(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)

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海釣り 堤防釣り

手軽ではない沖防波堤

ここまで読んで、「沖防波堤は良い事づくし。早速行ってみよう」と、直感だけであまりにも安直に感じてしまうのは禁物。沖防波堤への釣行は、陸続きの釣り場ほど手軽ではない。

ゴルフのように、打ちっぱなし練習場→大衆コース→名門コースと、段階を踏んで「あらゆる意味での実力」を上げてから、沖防波堤に釣行する事が大切だ・・・と、筆者は自身の経験からも感じている。

最低限の自己管理が必須

沖防波堤は海の沖合に設置されており、船でしか渡れず、渡った先にはコンクリートの塊があるだけ。日除けも風除けもなし、トイレなし、ゴミ箱なし、標識なし、安全柵なし。まして売店、自動販売機、荷物置き場などは、あるはずもない。

足場が悪い防波堤も多く、海に転落すれば命を落とす危険性すらある。陸続きの釣り場では最悪何とかなる事でも、沖防波堤ではどうにもならない。

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介外向きはテトラ、内側は護岸の和田防(提供:WEBライター・伴野慶幸)

さらに、帰りたくなっても、迎えの船が来るまで陸には戻れない。不幸にして怪我や体調不良に陥っても、数時間苦しみ続ける事になる。沖堤防釣行は、手軽ではない事を予め分かったうえで、全てを自己責任で自己管理できる釣り人でないと、沖防波堤での釣りはうまくいかない。

船長の言う事は絶対な理由

渡船店は行政や所轄当局からの営業許可を受けており、船長は1回あたり数10人の乗客の命を預かる重責を抱えるとともに、沖防波堤、さらには乗船場付近の保安や治安にも、一定の責任を負っている。船長の言う事は絶対だ。

釣り客によるトラブルや違反があれば、渡船店も責任を問われ、回り回って最終的に、釣り人が釣り場を失う結果にもなりかねない。また、乗船手続き→船への乗り込み→防波堤の船着き場での乗り移り(帰りはこれらの逆)の一連のプロセスは、乗客数10人を相手に、限られた時間で安全に効率よく行う必要がある。

釣り客は団体行動だ

釣り客の側も、全てを自己責任で自己管理できる事が前提となる。沖防波堤渡しはある意味集団行動である。船長への長時間の質問攻め、乗降時の大幅な手間取りなどは、船長と他の乗客の迷惑になる。個人の都合やワガママによる「こっちは客だ。金払ってるんだ」といった理屈や甘えは通用しない。

渡船に付いているタイヤなどの意味

渡船のほとんどの船には、手すりや船首にタイヤが付いている。防波堤の船着き場に着けた渡船の写真を見ていただければ、その意味がお分かりいただけよう。
釣り客は手荷物を抱えながら、手すりを伝ってタイヤを踏んで、海上の波風で不安定な船体と足場の悪い防波堤との間を、行き来する事になる。

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介船を押しつけて安定させる(提供:WEBライター・伴野慶幸)

干潮時に、波止と海面との高低差が大きくなる波止では、船首に階段が設置されている渡船も多く、その階段の登って波止に上がる事もあり、足元の不安定さは一段と増す。

始めるなら冬がオススメ? 渡船で行く関西の沖防波堤釣りの魅力を紹介船首に階段付きの渡船(提供:WEBライター・伴野慶幸)

釣り人側も、行き来を自己管理できるようになっておく事が必要だ。船長は操船で手いっぱい。釣り客個人単位でのサポートは基本的に望めないと知っておいてほしい。

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