晩秋から初冬は、産卵を控えてガシラがどんどん波止回りの浅場に接岸する時期だ。ガシラを手軽に釣るならこの時期を逃す手はない。そして、良型ガシラと出会うために、近道なのがこの時期の夜釣りである。今回はそんな夜のガシラ攻略法を紹介。手軽なのでぜひチャレンジしてみよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
ガシラ(カサゴ)の産卵期
ガシラの産卵期は、エリアにもよるが初冬である。雄が先に成熟し、遅れて雌が成熟期に入る11月以降に交尾をして、雌はお腹に卵を持つ。カサゴ類は卵を産む種類と、腹の中でふ化した稚仔魚を生む種類があるが、大阪湾の波止で狙うガシラは後者の卵胎生である。
時期が進むにつれて、徐々に抱卵してお腹が大きくなった個体が増えてくるが、資源保護のためにお腹の大きな雌はリリースしてあげたい。つまりガシラ釣り絶好期の目安となるのが、お腹の大きな個体の割合。終盤には釣っても釣っても抱卵した雌になり、無駄に魚を傷めてしまうので釣りを止める人も多い。
数&型ともに夜釣りがオススメ
この時期のガシラは、日中でも十分に釣れるのだが、日が暮れる頃になると突然サイズがかわって、良型、大型が釣れ出す事が多い。
極端な例では、日が暮れるまでは、まったく何のアタリもないのに、周囲が暗くなり、1尾釣れるとそこから突然の入れ食い…なんて状況には何度も出くわしているので、日中に釣れなくても日暮れまでは釣ってみる価値がある。
特に、日暮れから1時間程度は入れ食いになる事も多く、竿を2、3本並べて釣っていると、手に負えない状況になったりする。そんな時は竿数を減らして、手持ちの1本竿で確実に数を伸ばす方が、釣果が上向くハズ。
ガシラ釣りのオススメポイント
大阪湾岸の各波止で狙えるガシラだが、人気の場所はやはり大型から釣られていくので、中型が主体となってくる。新しいポイントを見つければ、30cmに迫る大型を含めて数も釣れるのが初冬のガシラ釣りだ。
大阪エリア
大阪市内での実績場としては、大阪市が指定する釣り解放区の一つであるシーサイドコスモや渡船利用となるが、堺港の新波止、大阪北港の関電波止、夢洲スリットなど。
兵庫エリア
兵庫県下では武庫川一文字を始めとする各一文字、神戸港の各護岸(立ち入り禁止エリアに注意)など、淡路島は各漁港で捨て石が入っていれば港内向きでも釣れるポイントは多い。
日中は底が見えるような浅いエリアでも日が暮れると、よく釣れる場所は多いので、自分だけのヒミツのポイントを見つけるのも楽しい。
ガシラ釣りのタックル
この時期のガシラは、波止際でいくらでも釣れるので、波止際ギリギリを狙った胴突き仕掛けや、ズボ釣りで狙うのが手っ取り早い。波止際での釣りなのでオモリも5~10号と比較的軽めでOK。
仕掛け自体は船釣り使うガシラ五目用の胴突き2、3本バリを利用すればいい。目安としては、幹糸2~3号、ハリス1.5~2号でハリは丸セイゴや伊勢尼の8~10号を使う。
自作するなら波止際のタナを探る事ができるよう、ややエダ間を開けてやるといい。ハリスの長さは15cm前後まででOKだ。
ちなみに竿とリールは極端に言えば何でもOK。スピニングでもベイトでも、ナイロン3号程度を巻いておくといい。感度の良いPEラインでも構わないが、あまり波止際ギリギリを攻めると貝殻などに擦れて切れてしまうので注意。
使用するオモリが扱える程度のやや軟らかめの竿の方が食い込みはいいようだ。シーバスロッドなどのルアー用から、極細穂先のチヌかかり釣り用の竿までそれぞれ好みで使っている。ちなみに筆者は、磯竿2号3mやロックフィッシュ用ロッドなどを使用している。
身エサと虫エサを用意
エサは、その時によってかなり好みがかわるので、できれば切り身のエサと虫エサの両方を持参しておきたい。切り身はサバかサンマが最高で、幅7、8mm、長さ3cmほどの短冊にする。虫エサはアオイソメで十分。エサ店で注文できる場合はできるだけ太いアオイソメがいい。
エサの刺し方は、ともにちょん掛けでOK。短冊に切った身エサは、身の端にハリを刺して、水中で回転しないようにしたい。虫エサはやや大きめに付けるのがコツで、ほとんどの場合は1匹掛け。小さい虫エサだと、釣れるガシラもやや小さくなる傾向にあるようだ。