伊勢湾口の伝統釣法ウタセマダイ釣りは秋の深まりとともに中型マダイの数釣り期に入った模様。10月28日は鳥羽・石鏡港出船の大型乗合船幸徳丸で、そんなマダイの入れ食いを堪能した。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西満)
幸徳丸でウタセマダイ
この日は午後便。12時に集合。釣り座抽選をしてエサを積み込み、すぐ出港した。幸徳丸の新造船はドッグ入りのため、今日のウタセマダイはオヤジ船での出船だ。
約15分走って沖合のポイントに到着。イカリを入れて釣り開始。北西の微風で波もなく、込み潮が神島の方へとろりと流れていた。私の釣り座は左舷胴。北西風だから、込み潮を受けて釣り座の前方向へ流れる。
タックルは、サオはがま船チャンネルマーク30号2.4m。自作のハリス5号4本バリ仕掛けで、オモリは20号を付けて釣る。
私のタックル(作図:WEBライター・大西満)
15分ほど釣ってみたが小ダイが1匹釣れただけでたいしたことはない。船長はすぐ「はい。仕掛けを上げて」と場所移動を決めた。昔から「マダイの幸徳」と言われた漁師だけに移動の決断が早い。
40cm級マダイが3連掛け!
次のポイントは少し岸より。水深も30mとやや浅めだ。ここでも込み潮が利いていて、20号のオモリでウタセエビを鼻掛けにして下ろしたが、かなり流される。仕掛けが流れ、広く探れるからいいかな?とは思ったが、アタリがなく、仕掛けを上げてみるとエサがない。エサ取りか、マダイかどちらかだろう。
しばらくすると、隣の人が40cm級のマダイを連発した。オモリは25号で「すぐ、近くで釣れた」とのこと。釣れたら真理だ。私も25号のオモリに取りかえて仕掛けを入れると、仕掛けがしっかりと止まりながら少しずつ移動して、「落ち着いている」感じだ。そう思っていたらアタリが出た。チャンネルマークの穂先がククーッと引き込まれる。
イトふけがあるからそれを見込んで大きくアワせると、ガツーンッと掛かった。リールのカウンターでは50mほど出ていたから、ラインは少し斜めになっているはず。取り込みはリールをゆっくり巻いて、暴れるマダイに周囲を刺激してもらおうと、レベル6のゆっくり巻きにした。
4本バリ仕掛けだから、エサはまだ3個ある。暴れるマダイに刺激された周囲のマダイが、そのエサに食いついてくれたらと追い食い狙いで挑む。
さらに穂先がガクーンッと引き込まれ、取り込んでみると30~40cmほどの中型マダイが3匹掛かっていた。4本バリ仕掛けに3匹。追い食い作戦成功だ。
オモリ25号がはまり多点掛け連発
それからもオモリ25号のおかげで、少し流し込んで時々仕掛けをあおって誘いを掛けると、次々とアタリが出て2匹、3匹と「多点掛け」が続いた。周囲の人たちも次々とサオを立てている。時々、水面近くで暴れるのは40cm級のハマチで、これはこれでいいおみやげになる。
先日は60cmオーバーの大ダイも釣れたらしいから、それに期待して釣ったが、私は30~40cmの中ダイばかりだった。4本バリ仕掛けの上のハリばかりに釣れたから「タナは上かな」と思って捨てイト3mに3mの予備捨てイトを2本(6m)足して捨てイト9mにした。「大型は上で釣れる」と言われるから、それを狙ったのだが、どうもアタリが遠く、たまに釣れると下のハリばかり。
捨てイト6m仕掛けで51cmマダイ
ちょっと上過ぎたかと、捨てイトを1本(3m)外して6mの捨てイトで釣る。効果はてきめんだった。ガツーンッと穂先が舞い込み、アワせるとドーンッ。ガンガンと穂先をたたくような引きはマダイ独特のものだから「すわっ、大ダイか」と期待したのだが、上がってきたのは51cm。
「大型は上」と言われる通り、やはり上バリに掛かっていたし、その下には40cm級、30cm級とトリプルヒットだったから、まあ、許そう。
この日は、潮加減とマダイの活性とポイントがうまく合致したからだろうが、17時半の沖上がりまでアタリが続き、しかもダブル、トリプルと多点掛けが多く、私の釣果はマダイ48匹(27~51cm)とハマチ(40cm級)4匹で、他の人もそれぞれにクーラーいっぱいの釣果で入れ食いを堪能したようだった。
<大西満/TSURINEWS・WEBライター>