夜のチョイ投げや投げ釣りで欠かせないのが穂先ライトだ。夜でもアタリなどを目視できるのはありがたい。ただ、穂先ライトも非常に種類が多く、どんな時にどの種類の穂先ライトを持っていけばいいのか、初心者には分かりにくい。今回はそんな夜釣りの必携アイテムである穂先ライトの使用術に迫ってみよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
目次
穂先ライト使用の利点
穂先に付けるライトだから「穂先ライト」。ただ、ライトと言うよりは小さな点の発光体を穂先に取り付ける事で、夜でも置き竿でのアタリが目視できる。
現在は化学発光体やリチウム電池を使ってのLED製穂先ライトなどいろいろな種類が出ていて、利用次第ではアタリを取るだけではなく、トラブル防止にも役立っている。
穂先ライトの種類について
まず穂先ライトの種類について見てみよう。現在、よく使われている穂先ライトは「ぎょぎょライト」などに代表される化学発光体を穂先に取り付けるタイプと、リチウム電池を使ったLEDの発光体が主流である。LEDの発光体は分かりやすく言えば、ごく小さな電気ウキを穂先に付けるイメージ。2つのライトでもっとも大きな違いは、使い捨てかそうでないか…である。
化学発光体の仕組み
化学発光体の仕組みは、本体の中に酸化液が入っていて、さらにその中には蛍光液が閉じこめられているガラスの筒(ガラスアンプルと呼ぶ)が入っている。本体を軽く折り曲げる事で、ガラスアンプルが割れて、蛍光液が飛び出し、酸化液と混ざり合う事で化学反応を起こして発光する。
2つの液体が混じる事で化学反応を起こして光るので、最初は明るく、ほんの少しずつだが徐々に光が弱まってくる。釣りの時間で言うと一晩使っていると夜中を過ぎた頃には「少し暗くなってきたかな」と言う感じで、迷うのは夜明け前に交換するかどうか…。もちろん、近くで見ると十分に光っているのだが、少し離れるとちょっと見えづらい…と言う感覚である。
そして、1度光らせると、化学反応を元には戻せないので、使い捨てとなるのが定番である。
LED製穂先ライトの特徴
もう一つの発光体が電気ウキと同様の仕組みを持つ、LED製の穂先ライトである。こちらはリチウム電池の力を借りて、LEDを光らせる。LEDは電力消費が少ないから、小さなリチウム電池でも長時間の使用が可能なのは電気ウキと同じだ。
こちらの場合は、LEDはそのままに電池がなくなれば交換するタイプも多く、長く使えるのがありがたいが、その分、化学発光体に比べると少々価格帯も高くなっている。
筆者の場合、時間が短ければLED製を、長時間の夜釣りなら化学発光体とLED製を併用している。化学発光体はどうしても徐々に暗くなってくるので、一晩使い切って穂先ライトが暗くなってくる夜明け前の時合いなど、一瞬を逃したくない時間帯には短時間だけでも使えるLED製に取りかえる。
ずっとLED製の穂先ライトを使ってもいいのだが、実はリチウム電池もコストが掛かるので、併用…と言う形をとっているのだ。
どちらのタイプにしても、竿先に取り付けるために進化してきた。以前は透明の粘着テープが付属しており、テープで穂先ライトを穂先ごと巻き付けて固定するタイプが多かったが、最近ではワンタッチで穂先にはめ込めるタイプの穂先専用ライトが主流だ。
専用のアタッチメントが便利
穂先ライトをはめ込むアタッチメントは実は非常に便利なので、釣具店で見つければぜひキープしておく事をオススメする。と言うのも、穂先にワンタッチで取り付けられるアタッチメントの竿とは反対側は、化学発光体やLED製の電子発光体の両方をワンタッチで取り付けられるからだ。
もちろん、LED製の穂先ライトの中には穂先にワンタッチで取り付けられるよう、アタッチメントが一体化しているものもあるので、その場合は別のアタッチメントは不要。
取り付け時の注意点
その取り付け方だが、注意点としては、竿の太さに合ったサイズを選ぶ事。竿にワンタッチで取り付ける事ができるタイプは、それぞれに穂先ライトを取り付ける場所の太さによって大きさが分けられている。
S、M、Lとか、大、中、小と言ったサイズ表示が多いが、磯竿などは細く、本格的な投げ釣り用の竿は太い、シーバスロッドなどはその中間と言った感じだが、アタッチメントの設定よりも竿が細ければクルクル回って固定できないし、竿が太ければ無理矢理入れようとして竿を破損してしまう事もある。
磯竿のような細い穂先の竿に使う場合は、はめ込み型のアタッチメントよりも、透明テープで巻くタイプの方が穂先の破損などに繋がりにくいのでオススメだ。また、そんな竿は穂先も軟らかいので、あまり大きな穂先ライトを付けると、その重みで竿が曲がってしまったり、投入時にブレて糸が絡むなどのトラブルにもなるから、できるだけ小さなサイズの穂先ライトを選ぼう。
自分なりの組み合わせを作る
穂先ライトのパッケージをよく見てみると、「適合サイズ」として、取り付けられる竿の太さが書かれているので参考にしてみると良いが、なかなか自分の持っている竿の穂先の太さまで知っている人は少ないだろう。なので、最初はいくつかの種類を持っていき、「このメーカーのこのサイズがピッタリ」と、適合する竿と穂先ライトの組み合わせを知っておくといい。
竿の方が少し細いくらいなら対処法はある。竿は手元に近くなるほど太くなるので、穂先より穂持ち(穂先のすぐ下)、さらに手元に近寄れば太くなるので、穂先には付かないが少し下の方に付ける事はできる。
実はあまり穂先近くに付けると、投げる時などに激しく揺すられて外れてしまう事もあるので、実際には2番目か3番目のガイド付近に付けるとトラブルがない。
色の違いを有効利用しよう
最後に、穂先ライトは多くのタイプが市販されているが、光の色も昔はイエローグリーン一色だったのが、赤色や黄色、緑、青など様々なカラーが発売されている。実はこのカラーを使い分けると現場で非常に便利だ。
周囲が真っ暗な中では、なかなか竿の区別が付かないので、「緑の穂先ライトは遠投、赤色は真下」や「アオイソメは赤色の穂先ライトの竿、緑にはマムシ」と言った感じで竿を明確に区別しておく事で、アタリがあって釣れた時にも穂先ライトを見れば、釣れたパターンを把握できると言う訳だ。
また、我が家では家族連れでノンビリとアナゴのチョイ投げ釣りに行く際には、3本の竿に色違いの穂先ライトを付ける事で「あっ、今、オレンジにアタリがあった」と伝える事で、誰でも迷いなく竿を構える事ができる。
裏ワザ的使い方
そしてこれは本来の使用法とは違うのだが、アタッチメントでテンビンの脚にライトを取り付けて、集魚用とする事もある。この場合も大きな穂先ライトは抵抗になるのでできるだけ小さく。もちろん、海に投入するので、完全防水タイプか、化学発光体のタイプを使用する。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>