関東地方はこのところの寒波到来で冷え込みが強く、本格的な寒ベラ釣りの様相になってきた。河川などの野釣りでは型を見られる場所がめっきり少なくなり、オデコと隣り合わせに。そのような状況でも別天地といえるのが茨城県土浦市を流れる土浦新川。春の乗っ込み期のような大釣りは期待できないが一日に良型を5枚前後、時には40上~尺半まで上がっている。腹の膨らんだ美ベラの、寒さを吹き飛ばすような強引が味わえるに違いない。
土浦新川のポイント解説
ヘラ釣りには厳しい季節がやってきた。
ところで冬の乗っ込みという言葉を聞いたことがあるだろうか。
通常、ヘラは気温、水温の低下により深場や緩い流れのワンドの日だまりでじっとしているはずで霞ヶ浦や各河川も厳しい釣りを強いられる。
ところが霞ヶ浦本湖へ流れ込む土浦新川は別格だ。
寒さが増すこの時期は浄化センターから吐き出される温水の影響で、他所より水温が3~4度は高く維持されるため本湖のヘラが温水を求めてまるで乗っ込みのように群れで溯上してくる。
11月上旬には常連がこの群れに遭遇し、40上含めて尺上40枚以上を記録した。
冬場は水が澄みやすいため、雨後の濁りが入った時がいい。
温水は流れや風により蛇行するため、その日に入る場所によって釣果に差がでる。
そのためオデコも視野に入れておく必要はある。
寒さがいちばん厳しい1~3月上旬は多少食い渋るものの、尺半が拝めるチャンスでもある。
河口から新港橋間で中間にある吐き出しから河口までがベストポイント。
水深は後者付近がいちばん浅くて70cmほど。
上流に向かって深くなり、新港橋付近で2本前後となる。
入釣は基本的に北岸。
南岸は高い垂直護岸のため、磯釣りで使用するような長い柄のタマ網が必要になる。
季節風は背後からなので護岸下は浄化センタ―と樹木が風を遮る。
流れは常に上下につき、緩い時は宙やバランスの底釣りが可能だが、強い時は中・外通しのドボン釣りとなる。
浄化センタ―吐き出し~河口
午前8時前後から温水の放出が強めに始まり、日が差すとともに気温は上昇、水温はさらに上がり、ヘラの活性も上がってくる。
平日、常連の多くは気温が上がりだす10時過ぎから竿を出す人が多く、週末は早朝から混雑する。
竿は18~21尺が中心、モジリは沖目に多いが長竿を出す場合は両サイドの人に断わろう。
新港橋~吐き出し
下流側が混雑している時は上流側でも釣果は上がる。
水深は上流に向かって緩く深くなり、2~2本半まで。
竿21尺で2~5枚前後は望める。
新港橋上流南岸のスロープから上流でも竿は出せる。
18尺前後で水深は2本前後あり、新港橋下流が混雑時は狙い場でもある。
年間を通してみると春の乗っ込み期は50枚~束釣りをマークするが、夏場~10月下旬までは型を見るのが難しくなる。
釣り方とエサ
基本的にドボン釣りが安定している。
上・下流に流れはつくが緩い流れの時などは宙やバランスの底、ハリスオモリの底釣りで狙う。
竿は18~21尺が中心。
水深が浅く引きは強いため道糸は1.25~1.5号、ハリスは0.6~0.8号30―45cm。
ハリは『セッサ/OWNER』か『プロスト/OWNER』の6~8号。
宙は『バラサ/OWNER』の7~8号。
ウキは日中、正面に日が差してくるのでPCムクか細径パイプトップでボディー13cm前後。
中・外通し釣りの場合、前者はライトドボンがよく、流れの強弱で板オモリの量を調節して巻く。
後者のオモリは0.3~1.5号。
エサは両グルテンがメーン。
底まで持つ軽めの配合。
バラケの使用はマブナやコイなどの他魚を寄せてしまう。
【エサ例】
『新べらグルテン』50㏄+『グルテン四季』50㏄+『わたグル』50㏄+水160㏄。(いずれもマルキユー)
『新べらグルテン』100㏄+『グルテン四季』50㏄+『アルファ21』50㏄+水200㏄(いずれもマルキユー)
<週刊つりニュース関東版 APC・高田恵年/TSURINEWS編>
土浦新川