いよいよ水温も下がり始め、寒グレシーズンに突入した。特にシーズン初期は1日で釣果がガラッと変わるため難しく、磯によって場所ムラがある。そんな気難しい寒グレだが、しっかり対策を取ることによって解決していきたい。
ポイント選びで確認する3点
寒グレ初期に狙うポイントを解説したい。
初めての場所や磯ではなかなか狙うポイントが定まりにくい。
特に大きな磯では、渡礁したがどこでサオを出すか迷ってしまう。
私が注目するのは潮の向き、海中の地形、サラシの3点だ。
【潮の向き】
まずは潮の向きだが、無風ベタナギでハッキリ分かるような潮ならいいのだが、実際には風が吹いて風波だったり、潮の流れが緩くて見た目では分からないことが多い。
なので実際仕掛けを投入してみるしかないように思う。
【海中の地形】
次に海中の地形だ。
これは海中のワレやシモリを肉眼で確認する。
この時のために自分の見やすい偏光グラスを用意した方がいい。
特にシモリは絶好のポイントだ。
時間をかけてじっくりと狙う。
グレのすみ家だけに魚が掛かったときに、シモリや磯際に必ず走るので、その時に悔しい思いをしないようにしたい。
問題は肉眼で確認できないシモリだ。
満潮時には見えなくても、潮が引いてきて初めて分かることもある。
渡船屋の船長なら磯を熟知しているので、見えないシモリなどの形状を把握しているはず。
聞いてみるのもいいだろう。
【サラシ】
次にサラシの位置だ。
やはり寒グレではサラシの中は避けたいが、右のサラシと左のサラシがぶつかって潮が潜るような所は、一級のポイントになるだろう。
そういう所は自然とコマセのたまる場所が分かりやすいので釣りやすい。
それと潮の流れがサラシに当たってできるような潜り潮も狙いめだ。
潮の流れは速すぎても遅すぎてもいけない。
ちょうどいい潮の速さと向きのときを逃さないようにしたい。
特に寒グレでは、そのような釣れる時合いは短いので集中して釣りをしたい。
あと潮が動きだしたときや、逆に潮が急に緩んだときも期待が高まる。
とにかく一番大事なことは、悪条件でもラインメンディングしなくても仕掛けが張れる潮を見つけることだと思う。
狙ったポイントにコマセをまくには
冬場こそコマセの作り方が重要になってくる。
北西風が吹くこの時期は悪条件の磯が多い。
そんなときこそ、狙ったポイントにコマセをまくことができるコマセ作りが重要だ。
特に向かい風や横風で沖にシモリや、潮目ができるような磯ではなおさらだ。
水温の高いような時期は、多少コマセと仕掛けがずれていてもグレは釣れることもあるが、寒グレはそうはいかない。
私自身苦い経験があり、ポイントが分かっているのにコマセ作りをしっかりしなかったため、そのポイントまでコマセが投げられず痛い思いをした。
【遠投時は、水分調整を正確に】
遠投に一番必要なのは水分調整だ。
市販の配合には水分量が記入してあるので、その分の水を入れてしっかり練り込みバッカンの中で強く押し込む。
そんな基本的なことで、遠投はかなりできるようになる。
そこから実際にまいてみて、好みで水を足していけばいい。
その他にオキアミを細かく砕いてみたり、アミエビを入れたりするのも粘りが出る。
時間があれば釣行する1日前に作って、ひと晩寝かせるのも有効だ。
【遠投が必要ない場合は、広範囲に】
ポイントが近く遠投が必要ない場合は、固まりでまくよりも広く広範囲にまくように心がけている。
それは少しでも海中でまいたコマセの中に、さしエサがある状態にしておきたいからだ。
仕掛けはハリの重み分早く沈むので先にコマセをまき、ある程度沈下してから仕掛けを投入するようにするのがいいだろう。
練り込んだコマセをほぐしてヒシャクでスナップをきかせてまけば、コマセは帯状になるので広範囲にまける。
寒グレ初期オススメの釣り場
最後に寒グレ初期におけるお勧めの釣り場を紹介したい。
それは三重県・南伊勢町の贄浦と大紀町の錦の磯だ。
贄浦は潮通しのいい独立磯もあれば地方の磯もあり、どこでも良型のグレが狙える。
地方の磯でも尾長が回遊するときがあるので面白い。
冬の時期でも釣り時間が長く、一日楽しめる。
寒グレ初期の船長お勧めの磯は双子、ちがら、高台、けいかいだ。
他にも有望な磯があるので期待できる釣り場だ。
錦の磯は沖磯、東磯に分かれていて、どちらの磯も人気があり実績もある。
磯割りもしっかりしていているので安心だ。
磯も多くさまざまな磯があるので、気に入った磯が見つかるだろう。
どちらの釣り場も人気の釣り場なので、事前にしっかり予約してもらいたい。
短い寒グレシーズンだが楽しんで釣行していただきたい。
<週刊つりニュース中部版 APC・清水督也/TSURINEWS編>