いよいよ水温も下がり始め、寒グレシーズンに突入した。特にシーズン初期は1日で釣果がガラッと変わるため難しく、磯によって場所ムラがある。そんな気難しい寒グレだが、しっかり対策を取ることによって解決していきたい。
【1】タナがはっきりしない時の仕掛け
まず私が寒グレで使う仕掛けを紹介したい。
シーズン初期の時期は、グレが釣れるタナがはっきりしないことが多い。
水温が日によって目まぐるしく変わるためだ。
水温が安定しているときはグレの食いも良く、さほど深いタナを釣る必要がない。
このようなときは半遊動の沈め探り釣法が有効だ。
浅いタナからある程度の深さのタナを、効率よく狙えるからだ。
風やウネリなどの悪条件にも対応できるので、私はよく使う。
ウキ止めを2ヒロの所に付け、ウキの遊動を30cm取る。
オモリを3段打ちに付けて、ゆっくり沈むように調整する釣法だ。
遊動を取るのは、潮受けゴムを目印にさしエサの向きを確認するためだ。
潮の速さの加減でウキの沈む速度が変わるので、ウキの浮力とガン玉調整はかなり重要だ。
手で取り外し可能なガン玉を使うと便利で、すぐに対応できる。
オモリを段打ちしているので、表層のネンブツダイやスズメダイなどのエサ取りにも有効だ。
オモリを付けることに抵抗がある人もいると思うが、ウキから下の仕掛けがきっちり張れるため、アタリはウキにはっきり表れるので、ぜひ試してもらいたい。
この釣りで対応できないのは、グレが本当に食い渋ったときだ。
【2】グレが食い渋った時の仕掛け
急激に水温が下がってタナが深く、さしエサが全く取られない状況のときは深ダナ用の仕掛けに替える。
私はウキを浮力のあるカン付きウキを使用する。
オモリはウキの下に打ち、ハリスには極力打たないようにする。
この仕掛けは5ヒロから下のタナを狙うときに使う。
ウキはなるべく沈ませないようにして、さしエサを海中で止めて待つイメージの釣りだ。
カン付きウキは狙いのタナまで早く落ちるので、サラシなどでウキが引っ張られて仕掛けがポイントからずれにくくなる。
この釣りの注意点は、仕掛けがくの字に落ちるので、さしエサが先行しているのか分かりにくいことだ。
それを解消するため、数回仕掛けを引き上げて確実にさしエサを先行させて、張りを作るように心がけてほしい。
ウキにアタリが出ないのにさしエサがなくなっているときは、さしエサが先行していないことが多いので注意が必要だ。
【3】超悪条件時の仕掛け
次に紹介する仕掛けは、超悪条件時に使う仕掛けだ。
例えば高い釣り場で横から突風が吹いて、ミチイトのラインメンディングができない場合や、サラシが大きすぎて仕掛けが安定しないときに使う。
それは1号の大きなウキを使用する。
浮力のない00ウキを使って沈める釣りもあるが、寒グレではやはり不自然にさしエサを動かさないことこそが釣果の秘けつだ。
オモリをしっかり打って、さしエサを安定させたい。
3ヒロくらいの所にウキ止めを付けて、1号ガン玉を潮受けの下に打ちハリスの真ん中に余浮力分のガン玉を打つ。
ここでのポイントは、何もない状態でウキが沈まないようにガン玉調整すること。
ウキが沈むときは、潜り潮や仕掛けが安定するようなときだけにしたい。
悪条件時はウキを強制的に沈めたくなりがちだが、食い渋った寒グレではアタリが出なかったりさしエサを取られなかったりするからだ。
以上の3パターンの仕掛けがあれば寒グレは攻略できると思う。
<週刊つりニュース中部版 APC・清水督也/TSURINEWS編>