堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介

秋はファミリーフィッシングに最適な季節。初めての釣行にオススメなのが、マダイやハマチのほか、漁獲された天然魚を放流している『堤防型の釣り堀』だ。一般的な海上釣り堀に比べ低予算で楽しめ、普段ではめったにお目にかかれない魚と出会うこともできる。今回、堤防型の釣り堀の仕組みと魚の釣り方を紹介する。

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堤防型釣り堀の概要

愛知県と福井県には、港の一部を網で仕切り、マダイやハマチのほか、地元の定置網で獲れた天然魚を放流し、釣り人に釣らせてくれる釣り堀がいくつかある。それが『堤防型釣り堀』だ。

放流される魚は季節や年により異なるが、今からの時期は、イナダやコッパグレ、クロダイ(チンタ)やサンバソウなどの放流が期待できる。では、これより魚種別に釣り方を紹介していく。

コッパグレ、サンバソウ、チンタ

定置網で漁獲された魚が放流されているような釣り場で狙うことができるケースが多い。

いずれも堤防釣りの定番魚種で、釣り方は基本的に堤防釣りと同じだ。道具はノベザオでも構わないが、サオの長さより深いタナは釣れないので、磯ザオ+小型スピニングリールを組み合わせがベスト。仕掛けはタックル図Aを参照に。

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介タックル図A(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

使用するエサは、オキアミやイシゴカイ、アミエビ。サシエサはオキアミが定番だが、アジ釣り用のアミエビの大きめのものを使ってもOKだ。

釣り方はコッパグレやサンバソウ(イシダイの若魚)を狙う場合、朝一番はウキ下1.5~2mで始め、日が昇ると徐々にタナが深くなるので、少しずつウキ下を長くしていく。使用するサオが4.5m程度なら、ウキ下は3.5mくらいまでが、仕掛けを扱いやすい限界点。棒ウキをゴム管で固定するような仕掛けの場合、長いサオの方がウキ下の設定のアドリブが効く。

マダイ、ハマチ、グレ、クロダイ

マダイやハマチは養殖魚が手に入るため常時放流されており、これらは海上釣り堀と同じ要領で狙える。グレやクロダイがいる場合は、仕掛けは細くてシンプルなものが適しているので、タックル図Bを参照にハリスを2号以下とし、磯ザオとスピニングリールの組み合わせで深いタナも探れるようにする。

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介タックル図B(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

マダイやハマチを釣る場合、ウキ下の設定は海水の透明度を考慮し、まずはサシエが海面から見えなくなる程度の水深に設定してスタートしてみよう。朝のうちはタナが浅く、日が昇るにつれ徐々に深くなっていくのが基本的な展開だ。

アタリがあれば、釣れなくなるまでタナは触らず、アタリが遠のいたら20cmずつぐらいウキ下を深く設定し、再びアタリが出るまで、徐々に探り下げていく。

アタリの出方はハマチの場合はエサをひとのみにするので、すぐにウキが沈むが、マダイの場合はエサが大きかったり、活性が低いとくわえたままモゾモゾと食い切らないことがある。

こんな場合ウキが動いてもすぐにアワせず、スーッと海中に引き込まれるまで待ってからアワせるようにしよう。マダイは口が硬くハマチは口の肉に厚みがあるので、しっかりアワセを入れること。アワセが弱いとハリが貫通せず、やり取り中のバラシにつながる。

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介ハマチは定番魚種(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

取り込みについては、引きが強いので力任せに寄せようとはせず、ドラグを使って引き込んだときはイトを送り、魚が止まったらサオの弾力で魚を疲れさせ、徐々に浮かせてタモで取り込むようにようにする。

またクロダイやグレが放流されている場合、これらの魚を狙うには、先述の通り細仕掛けで挑むことになる。マダイやハマチに比べ警戒心が強いため、ハリスが太いと極端に食いが悪くなる。またタナも深い場合が多いので、中層から底まで探るつもりでウキ下を適時調整していこう。

アタリの出方、アワセのタイミングはマダイと同様、ウキが沈み込んでからアワせる。どちらの魚も引きが強いので、マダイやハマチ同様、力任せに寄せようとしないこと。

以上が大まかな釣り方だが、魚が大きくなるとやり取りの技術が必要になる。本文中でも少しずつ触れたが、以下にやり取りの仕方を詳述するので、普段大型魚を釣ったことがない人は参考にしてほしい。

大型魚とのやり取り方法

大型魚が掛かった際の対応について解説する。

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介こんな立派なマダイが釣れることも(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サオを使った魚とのやり取り

サオには弾力があり、魚が引き込んだときにその力を吸収し、かつ魚を疲れさせる効果がある。この効果が発揮されるのは、ミチイトに対しサオのバット(手元)が90度以上に保たれているときに最も効力を発揮する。

ドラグの使い方

スピニングリールには、ドラグと呼ばれる機構がある。イトが巻かれているスプールを完全に固定せず、強い力でイトが引かれるとスプールが逆転し、自動的にイトが送られるシステムだ。

スプールの上のノブを回して、制動力を調整する。ハリスの強度に合わせ、引っ張ってもハリスが切れない程度にドラグを緩めて調整しよう。ハリスを引っ張って、ピーンと伸びきるくらいの力で引っ張ったとき、スプールからジジジとイトが出るぐらいに調整する。

タモ入れ

タモ入れを行う際は、タモで魚を追いかけ回すのではなく、魚が弱ってからタモを海中に差し出し、サオでタモの中に誘導する。魚が浮いてきたら、サオを立てて空気を吸わせる。これを繰り返すと魚は一気に弱り、誘導しやすくなる。

魚の動きが鈍ったら、いよいよタモの出番。差し出したタモに魚を誘導し、頭からタモの中に突っ込ませよう。くれぐれもお尻の方からすくったり、追い回して取り込もうとしないこと。バラシにつながり、バラせば周囲の魚の警戒心も強まって自分はもちろん、周囲の人まで魚が釣りにくくなってしまう。

堤防だけどいっぱい釣れる『堤防型釣り堀』攻略法 オススメ3カ所も紹介安全な堤防でのんびり楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

以上、基本的な話が中心になったが、釣り場や魚種ごとにこれらの事項を微調整し、堤防型釣り堀で大きな魚の引きを味わってほしい。

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