夏の風物詩のひとつ、夜イカ。昼の暑さを忘れて暗闇のなか、竿をだすのは独特の釣趣がある。今回は、胴突きとイカメタルの2パターンのタックルから釣り方まで紹介。キモはサバとの釣り分け方。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
夜イカの釣り方
完全に日が沈んでからが本番。ポイントが決まると、船長がパラシュートアンカーを入れて潮に乗せる流し釣りで狙う。
タナを探る
「○~○m」とタナの指示があるので、その下限まで仕掛けを落とす。夜イカ釣りはいわば船中共同作業。周りや船長にタナを伝えて、そこから下には仕掛けを落とさないようにし、イカの群れを浅ダナに誘い上げる。
海面下10mくらいまで1m刻みに探っていくと、体力的にも無理がなく効率的。竿先を海面まで下げ、そこから目線辺りまでゆっくり聞き上げて止める。イカが乗ったらそこが当たりダナ。その水深を覚えておき、次投からはその付近で集中的に誘いをかける。
全員で協力してイカの群れを少しずつ上に誘い上げ、船下の浅いタナまで寄せよう。シャクリ方は日中の釣りと変わらないが、水深が浅いぶん、ソフトに行う。とくにスッテを長めのエダスで使う場合は、スッテ自体の浮力を利用して誘い、ポーズは長めに取る。
1mほど誘ったら数秒止め、水中を漂うスッテにイカが乗る間を与える。また、当たりダナを見つけたら数m手前から少しずつサミングして落とし込む誘いも効果的。
定期的なツノ交換も大事
乗りがいいときは直ブラや直結仕掛けで狙っても面白い。こちらは手釣りと同じ要領で間を与えずに上へ上へとスピーディーに誘っていく。
プラヅノの場合は1m刻みに段をつけてリズムよくシャクっていく。落とし込みも同様に段をつけると効果的だ。なお、プラヅノは新しいほど乗りがいいので、自分だけ乗りがなくなったらツノを交換してみよう。
手返しよく取り込もう
シャクリのスピードを落とし、竿いっぱいに聞き上げるか数mゆっくり巻いて、追い乗りさせる。群れの活性が高ければ水面近くで乗ってくることも。「仕掛けが落ちない」「上のイカを外しているときに乗っちゃった」なんてこともある。
こうなれば、あとは多点掛けを狙ってゆっくり巻き上げる。時合いを逃さないように手返しよく取り込もう。
イカが水面に見えたら竿をキーパーに掛ける。竿を立てたらツノをつかんで、イカを足元のタルのなかに振り落とす。同時に次のツノをつかみ、絡まないように空いたツノはマットに掛けるか、イトが絡まないようにしておく。
慣れないうちは手前マツリを起こしやすいので、ツノ数を減らすなどして手返しを少しでも早めたほうがいい。
時期によりムラサキイカ主体になる場合があるので、事前に船宿へよく確認しておこう。