8月17日、お盆休みを取り、岐阜県高山市庄川水系の渓流魚を求めて親子三人で出掛けた。父親はフライで、筆者はルアーで、弟はエサで狙う三者三様の出で立ちだ。台風直後の増水でポイント選びに苦戦するも、イワナ26cmを筆頭に9匹をキープするまずまずの釣果に、久々の渓を楽しむことができた。
(アイキャッチ画像撮影:週刊つりニュース関東編集部・平林)
当日の状況
朝マヅメを狙うため深夜2時に自宅を出発し、東海北陸自動車道で荘川ICに向かった。岐阜県高山市荘川町を流れる一色川に到着したのが午前4時で、一色の森キャンプ場を抜けてすぐのゲート前に車を停める。辺りはまだ真っ暗だ。
一色川は庄川水系でも魚影が濃いことで有名な河川。筆者は何年も前にアベレージ25cm以上の良型ばかりを上げた「いい思い出」があり、何度も足を運んでしまう。しかも遊漁券も一日1000円という良心的な値段でお財布にも優しい(詳しくは庄川沿岸漁業協同組合連合会に問い合わせのこと)。
だんだんと空が白み始めると、川の様子が見えてくる。実は台風直後の釣行で増水が気になっていたのだが、やはり水は多めのようだ。とはいえ沢登りを諦めるほどの様子でもないので、ポイントを絞って釣り上がることにする。
エサとフライにすぐヒット
入渓するとすぐ、弟のエサ釣りに魚がヒットした。上がったのは23cmほどのアマゴ。父のフライにもヒットし、こちらは20cmのイワナだ。
支流とはいえ川幅はあるので、流れの中央部分は白波が立ち仕掛けを流すのは難しい状況だ。急な流れを避けて魚が潜んでいるはずの、ちょっとした落ち込みや澱みを狙ってルアーをキャスティングしていく。
筆者の今回のタックルはトラウトロッド5.6ftに、視認性の高い蛍光グリーンのナイロン4lbを巻いた1000番台のスピニングリールをセット。ルアーは5cm以下のシンキングミノーを使用した。
しかし、ルアーには全くチェイスがない。父と弟も、いくらか魚の気配はあるものの、ヒットは止んでしまったようだ。
しかし前方に別の釣行者が見えた。このまま釣り上がることが出来なくなったので、やむなく一旦林道へ出ることにした。
移動中の小川でヒット
次にどこから入渓するか思案するが、下流に行っても水は増える一方なので、思い切って徒歩で1時間ほどかかる源流部を目指すことにした。
台風一過の日差しが照るなか山道を登る途中、一色川から林道の方に延びている川幅3〜5m程の小川に父が戯れにフライを落とした。すると一発でバイト。小さいながらも元気なイワナだ。
その後も同じような小川に出会うたび父親がフライを流すのだが、ほぼワンキャストワンヒット状態。20cmを超えるサイズも混じりつつ、ついにこの日最大となるイワナ26cmを上げてしまった。
筆者も、かろうじてルアーを流せる場所にキャストしてみる。すると23cmのイワナがヒットした!
他にも元気なちびイワナが果敢にアタックしてくるなど、明らかに活性が高い。増水を逃れ、魚が傍流に避難していたのだろうか。
23cmのアマゴをゲット
小川で散々遊びつつ、一色川源流部の橋に到着した。しかしやはり魚の気配がない。と、またもや林道を下っていく別の釣り人の姿が!どうやら朝イチで川に入り、今帰ってきたところらしい。
この日は釣り人がほとんどいない珍しい日だったが、入渓してまもなく二度もアタマを叩かれるとは運が悪い。仕方なく1時間歩いてきた道を戻ることに。
時間経過に従って一色川の水量も徐々に元へ戻っている様子で、林道を戻りながらポイントを絞ってルアーを流せるところは流していくことにした。
源流部から折り返してキャンプ場までの中間地点、激流を避け、ルアーを通すことのできるぎりぎりの水量の流れ込みにダウンストリームでキャストする。
すると突然ガンッというアタリと共にブルブルと揺らすような引き。イワナならもっとぐりぐりと頭を振るはずだ。慎重に脇に寄せて取り込むと、幅広で綺麗な23cmのアマゴだった。もう少し大きいかと思ったが、ダウンストリームでのやり取りだったことで引きを強く感じたようだ。ともあれ、貴重な一匹で嬉しさもひとしおだ。
自分で釣った魚を食べるのも楽しい
正午を過ぎてからは車中で昼寝し、午後は一色川下流や庄川と一色川の合流点でキャストしたが、反応が芳しくなかったので夕マヅメを待たず納竿とした。
この日の釣果は父親の釣った26cmのイワナを筆頭に9匹。うち2匹がアマゴだ。他にも20cm以下でリリースしたり、取り込みでバラしたりした魚も多く、渓流釣行としてはまずまず楽しめる結果となった。
キャッチ&リリースも大切だが、釣魚をキープして食べてみるのも楽しい。筆者は現場で内臓だけ取り出して持ち帰り、塩焼きにしてビールと共に美味しく頂いた。
<平林/TSURINEWS・関東編集部>