ショウサイフグについて
茨城日立沖のショウサイフグは、通常、7月下旬に乗っ込みを迎える。浅場で入れ掛かりを堪能できるため、このタイミングを心待ちにしている人は多い。テンヤマダイやヒラメ、ルアー青物、根魚などで脚光を浴びる同地域。普段はフグを受け付けていない船宿も、スポット出船するほど人が押し寄せる。ちょっとしたお祭りのようだ。
一大イベントのような状況だが、普段は広範囲に散っているフグがどのタイミングで集結するかは完全に博打だ。特に今シーズンは気温が低く推移して、海の状況は読みにくい。状況を確認するべく7月20日(土)、日立港久慈漁港の直重丸から取材した。
フグ狙いへ
同宿は宇佐美勝幸・大船長と智大・若船長が舵を持つ。若船長の第3直重丸はテンヤマダイ、大船長がフグへ。
14人を乗せて、5時15分に出船。釣れたり釣れなかったりの状況で、ポイント選定は難しい。この日は宮田丸や明進丸と協力しながら、北へ船を進めることに。航程45分ほどで到着。水深は17mで、海底付近には本命と思われる反応がびっしりある。
投入の合図がでて間もなく、まず竿を曲げたのは若菜猛さん。同沖らしい丸々した良型を手にするが、あとは続かない。
船長は「群れはいるのに口を使わないぞ」と首をかしげながら船中の様子を見守る。僚船の宮田丸は潮回りに入り、明進丸はナダに船を寄せていく。互いに無線を飛ばしながら食い気がある群れを探すチームプレーだ。
良型の本命メスヒット
しばらくするとコンスタントに掛かる場所が見つかり、アンカーを入れる船がある。
寺田周二さんが上げると、「毎週のように船釣りを楽しんでいる」という川畑秀さんが続く。川畑さんは良型のメスばかり掛かって、ご満悦の様子。
野口淳さんは普段、東京湾でルアータチウオを楽しむアングラー。この日は3人グループで釣行。
船中コンスタントにヒット
村椿さんと瑞穂さんは夫婦で乗船。後半は根掛かりに悩まされて、仕掛けを5~6個失って苦労していたが、それでも時折上がる良型に楽しげだ。
難波さんがたんたんと数を伸ばし、その反対舷では加藤さんが良型をゲット。
菅原さんは新潟や静岡まで釣行するベテラン。ルアーで30kgのキハダを仕留めたことがあるという。野口さんや阿部和彦さんと一緒に来て満喫している。
最終釣果
潮が気に入らないのだろうか、後半になると食いは鈍くなる。相変わらず魚群探知機にはびっしりとフグの陰が映し出されており、魚はいるのに食いはたたない状況が続く。
常磐沖ではエサにアオヤギのむき身を使うことは多いが、特エサにエビを持参する人もいる。どちらも食いは変わらず、持参するのもよさそうだ。
11時ごろに沖上がり。船中釣果は良型主体にトップ27尾。
釣ったフグは船長がさばいてくれるが、真子はまだパンパンだった。乗っ込みを迎えるのはこれからだという証明だ。今後も続くチャンスを逃さないようにしたい。
<週刊つりニュース関東版 大谷俊夫/TSURINEWS編>
▼この釣り船について
直重丸
エリア:茨城北エリア
出船港:日立港久慈漁港
この記事は『週刊つりニュース関東版』2019年8月2日号に掲載された記事を再編集したものになります。