8月には天然遡上河川では、遡上アユが成長して釣りごろになるので数を釣りやすい。これからアユ釣りを始める初心者が、トモ釣りを覚えるのに最適だ。放流河川ではアユも20cmオーバーに成長して、引きの強さを楽しめる。今回はポイント選び、タックル選び、テクニックの3つの視点から見て真夏のアユを攻略したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 渡邉 敦)
引き釣り流れ:まずは1匹
真夏のアユも初期のアユも同じで、最初の1匹は慎重に確実に釣りたい。平瀬や瀬の開きなど流れの緩いポイントからスタートする。
目印の位置は水深によってだが、サオの2節目の少し上に一番下の目印を合わせる。釣りをしてみて水深によって位置を調整し直す。オトリを送り出したらサオを自分の目線の高さまで寝かせ、オトリの動きを軽く感じる程度にイトを張り、サオ先はやや上流に向ける。あとはオトリの動きに合わせ引き上げる。
流れの緩いポイントで数匹確保できたら、早瀬に移動する。
引き釣り流れ:早瀬での釣り方
ノーマルの仕掛けでもオトリが沈めばそのまま釣る。沈まなければ背バリやオモリを使う。
まずは石裏などの緩い所にオトリを沈めて、流れの筋へオトリを誘導する。オトリの動きを手伝うようにサオ先を上流側に引き上げていく。引っ張り過ぎるとオトリが浮いてしまうので、慌てずゆっくり引き上げる。
3~4回探って反応がなければ、1歩か2歩前に出て同じように釣る。前へ出られなければ2~3歩下がる。とにかくオトリをずらして、数多くの野アユにオトリアユを見せることが大事だ。30cmずらすだけで反応があったり、立ち位置が違っても掛かったりする。
ひと通り攻めて30分以上反応がなければ、移動した方が良い。
引き釣り流れ:急瀬での攻め方
次に急瀬だが、攻め方は早瀬と変わらない。ただ流れがかなり急なので、オトリを沈めるために背バリやオモリを使用する。オモリの号数は、1号からスタートしてオトリが沈まなければ号数を上げるか、オモリ2個付けに変える。
背バリはオトリの安定感がいいので、がまかつV2背バリを使用している。背バリを使うことで、オトリのオデコがルアーのリップの代わりをするので、沈みが良くなる。イトを張るとオトリが潜るので、流れが速くても浮き上がりにくい。
私の場合、オモリと背バリの使い分けは石が大きく、浮き石が多いポイントは背バリで石が小さく底流れが速いポイントではオモリを使う。
流れで掛けバリが浮きやすいので、野アユに弾かれないように掛けバリを太軸の重いハリや号数を上げる。8号以上を使うと掛かった後の見切れによるバラシを減らせる。
引き釣り流れ:抜き上げ
次に引き抜きだが、瀬釣りでのアユはかなりのパワーで、掛かった後に下流に走られサオがのされイトがプツンなんてことがよくある。のされないために野アユが掛かった後、すぐにサオを立ててはダメだ。すぐにサオを立ててしまうとオトリと掛かりアユが底流れにたまったままで、野アユのパワーが増してのされやすくなる。
サオを寝かせたままグッとこらえ、野アユを止めてしっかりとサオが目いっぱい曲がってから、サオの反発力でオトリと掛かりアユが飛んできてタモに収まる。グッとこらえることで底流れから表層の流れにオトリと掛かりアユが上がってくるので、引き抜きしやすくなるのだ。
釣果アップアドバイス
瀬を攻めるときは手前、中央、奥と分けて手前から攻める。人が多く動けないときは5つ6つと細かく分けてもいい。
アユ釣りは掛けバリが命なので、ハリ先はこまめに指で確認して刺さりが悪ければ即交換。「まだいいかな、面倒くさい」はダメ!何も釣れなくても最低30分に1回は交換しよう。
オトリ交換の際はハリ先確認。オトリを触るときは手を水で冷やしてから触る。オトリが弱る原因になる。
釣れるアユが追い星のある野アユから追い星のない白いアユが釣れたらポイント移動の合図。
元気なオトリで10分以上掛からないときは他のポイントを探したほう良い。1カ所で粘らず足で数カ所回ろう。
釣れたポイントで反応がなくなっても、時間をおいて入り直すといいアカのポイントではまた掛かりだすはずだ。
今回の記事を読んで、ぜひ瀬釣りに挑戦してアユ釣りの醍醐味を味わってほしい。
<週刊つりニュース中部版 渡邉 敦/TSURINEWS編>