小型のワッペンと呼ばれるサイズの生育が順調で、今季のカワハギは各地で熱い展開が続いている。釣果を伸ばすためには、エサ取りの上手なワッペンと対峙が必要で、釣技向上には、もってこいの時期ともいえる。そこで10月18日(水)、東京湾金沢八景(洲崎町)の一之瀬丸から釣行した。
小型攻略をテーマに最適を見つけだす
18人が揃い、午前7時20分に出船。
約40分で竹岡沖に到着。
北東の風が10前後と強く、揺れが激しいなか8時すぎに水深15mでスタート。
今回は小型攻略のスキルアップのため、ハゲ系やクワセ系と呼ばれるハリの選択はもちろん、そのハリごとの誘いやアタリの出し方などをテーマに釣りを組み立てる。
まずは、ハゲ系のハリを使用。
活性を見るため、底上2mからのタタキ下げで付けエサをアピール。
その後、下オモリを底に付け、ゼロテンションの状態でアタリを見極める。
しかし強風に加え、下げ潮の影響で表層の潮が速く、ミチイトへの抵抗も大きい。
ミチイトもイトフケが大きく出てしまい、ゼロテンでは仕掛けのコントロールがしづらい。
そこで、オモリのテンションを竿先に掛けながら、底上2cm~1mの幅で仕掛けを小刻みに上下動させる。
すると、誘っている途中の竿先への変化は見られなかったものの、こまかくエサをついばむ感覚が手に伝わる。
同じテンポで誘いを続けながら食わせの間を作るため、ピタリと仕掛けを止めるとハリが口の中に入ったようで、金属的なアタリに変わった。
魚の重さを竿に乗せ込むようにリフトしてアワセを入れたのち、一定の速度でリーリング。
14cm程度の当日のアベレージサイズだ。
ポイント移動後も探り探りでアタリを出す
その後も同じ誘い方で同サイズを連釣していると、右舷ミヨシから3番目・足立区の二藤部スエ子さんが、ひと目で大型とわかる1尾を抜き上げた。
30.5cmの威風堂々としたオスで「ガツンとアタリがきて、ひたすら巻いてきました。」
船内でも釣れ上がるのは15cm以下の小型が中心だったが、時折25cm前後の大型が顔を出し、ハリの選択や、やり取りにも気を使う状況。
また、ポイント移動後は、釣れ方が変わってしまうのがこの釣りの妙。
時折、底から3m上でアタリが出たり、底ベッタリでなければ、アタリがでなかったりと、探りながらの釣りでぽつぽつと数を伸ばす。
また当日、一番活性が上がったのは、潮止まりの10時からの30分ほど。
誘っている竿先をひったくるようなアタリが出るなど、時には一荷も。
上げ潮の時間帯にも期待したが、予想に反して潮が流れず苦戦。
エサの追いが悪くなり、アサリのキモの部分だけを吸われて終わりという難しい状況に。
クワセ系のハリに変更し、追釣を狙う
底中心の釣りだったため、私はクワセ系のハリに変え、ぽつぽつと追釣できていたが、そんななか、左舷胴の間・厚木市の鍛治邦彦さんは、集寄を利用した誘いでアタリを出しており、連釣モード。
やがて午後2時半に沖上がりのアナウンスが流れ、私は12~20cmを43尾で終了。
船内では12~30.5cmまでを2~43尾だった。
自分なりに課したワッペン攻略というテーマについては、ハリの選択に問題はなかったものの食わせる際の間の取り方やアワセの強さなどにはまだまだ再考が必要。
そのためにもワッペンが成長する前に、またリベンジの予定を入れたい。
いずれにしても今年は魚影が濃く、当たり年の様相。
エサ取り名人との駆け引きに、ぜひ出かけてみては。
<週刊つりニュース関東版 APC・田中義博/TSURINEWS編>
▼この船について
一之瀬丸