魚の『冷凍』完全ガイド 鮮度を保つ5つのコツ&保存期間延長法

魚の『冷凍』完全ガイド 鮮度を保つ5つのコツ&保存期間延長法

スーパーの特売で魚を思わず多めに買ってしまったときや、たくさん魚が釣れたときなど、その保存に困ってしまったことはありませんか?とりあえず冷凍庫へ。そう対処したはいいものの、いざ使おうとしたらカチコチで使い物にならなかったり、美味しくなくなっていたり。こんな経験、誰しも一度はあるかと思います。今回は「魚の正しい冷凍方法」と「長期冷凍保存のコツ」を紹介します。

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冷蔵庫内の冷凍室・冷蔵室・チルド室の違い

まず、魚の冷凍方法をお伝えする前に、どこで保存するのが良いか、解説していきます。魚の身が余った時、その食材の冷蔵庫での行き先の候補は3つかと思います。

【冷凍室】【冷蔵室】【チルド室】

これらはどれも食品を低温で保つための部屋である点は、共通しています。しかし、食品の状態、次回食べる時期などによって、どこに入れるべきか、判断は変わってきます。まずは3つの部屋の特徴を知りましょう。3つの部屋の違い、それは「温度」です。

冷蔵室内の温度

まずは冷蔵庫について。「冷蔵庫」の温度は、だいたい3~7℃に設定されています。実は冷蔵室内の温度は場所によって、温度にムラがあります。ドアポケット付近は扉の開け閉めがあるため、温度が6~10℃です。このように同じ冷蔵室内でも場所によって温度に違いがあります。冷気は下に溜まりやすいため、上段よりも下段のほうが1~2℃低くなります。

また、冷気の吹き出し口付近も温度が低くなりやすいため、同じ室内でも腐敗しやすい食品は吹き出し口に近い奥に保存しておくのが良いとされています。反対に冷え過ぎを避けたいものはなるべく上段の手前側へ。しかし詰め込みすぎると冷却効率が落ちてしまうので注意が必要です。

冷凍室内の温度

次に冷凍室について。冷凍室内の温度は、基本的に–18℃以下になるように設定されています。冷凍食品やアイスなど凍った状態を維持したい食品や、長期保存したい食品に向いています。意外かもしれませんが、冷蔵室と違い、冷凍室は詰め込むほどに冷却効率が高まります。

チルド室の温度

最後はチルド室。近年、このチルド室の付いた冷蔵庫が増えています。チルド室は別名「フレッシュルーム」。冷蔵室よりも温度が低く、冷凍室よりも高い温度に設定されています。食品が凍る–2~0℃の直前の温度のため、冷蔵室よりも長期の保存に向き、鮮度が落ちやすいですが、凍らせられない(凍らせたくない)ものに最適といえます。

魚の『冷凍』完全ガイド 鮮度を保つ5つのコツ&保存期間延長法チルド室は低温のため冷蔵庫よりも長期保存が可能(提供:TSURINEWS編集部)

また、食品を微凍結させるパーシャル室も同じように使うことができます。こちらはわずかに凍ってしまうので、肉や魚は向きますが、凍ると品質の変わる食品には向きません。

保存場所の使い分け

先述のように冷蔵室の中は、意外と温度設定に差があります。入れる物の特性や想定保存期間に合わせて場所を選ぶことで、より長く保存できるようになります。早々に使う場合なら冷蔵。少し期間が空くけど新鮮に食べたい場合はチルド。しばらく使う予定がない場合は冷凍。このように使い分けるのが望ましいでしょう。

ちなみに、代表的な例外は、今すぐ食べたいけど寄生虫のアニサキス対策で48時間凍らせなくてはならない場合でしょうか。

魚の冷凍時の注意点

では本題です。長期間の保存が利き便利な冷凍保存ですが、魚を冷凍した際、カチカチになってしまって、全く使い物にならなかった経験がある人もいるかもしれません。

おそらくそれは、プラスチックのトレーからそのままラップにくるんでポン。こんな感じで保存したときだと思います。魚の身には水分が多いため、しっかりとした手順で保存しないといけません。

冷凍すると細胞が壊れやすくなる

水を凍らせると氷になり、その氷を溶かせばまた水に戻ります。しかし、食材は一度凍って、その後解凍をしても、冷凍前と同じ状態には絶対に戻りません。魚の身には約60%の水分が含まれており、これらの食品を生の状態で冷凍すると、食品細胞の一部の水分が凍り始め、「氷の核」ができます。

氷の核は、まわりにあるより小さい氷や水分を抱えこみ、体積を増やして「氷の結晶」に変化していきます。※ペットボトルに水を入れて凍らせると、翌日パンパンに膨らんで凍っているのと同じ現象

魚の『冷凍』完全ガイド 鮮度を保つ5つのコツ&保存期間延長法冷凍した魚の身は水分によって膨張しダメージを受ける(提供:TSURINEWS編集部)

すると、膨張した氷の結晶は、魚の身の細胞膜や細胞壁を押しつぶしたり、こわしたりしてしまいます。その状態から冷凍した食品を解凍すると、細胞内の氷が溶けて水になり、傷ついた細胞から流れ出ていきます。

この水分は「ドリップ」と呼ばれるもので、これには、うま味や栄養も含まれています。それが流れ出るということは、正しく解凍しないと味わいがぐっと落ちることを意味しているのです。

次のページで冷凍する時の「5つのコツ」を紹介!