6月21日(金)、南房小湊の大栄丸から釣行。当日は予定の時刻がすぎても予約客2人が現れない。めったにないドタキャンだったが「せっかく来たのだから」と大和田彰船長の好意で、私だけを乗せて5時40分に出船。梅雨イサキの力強い引き込みを存分に楽しんだ。
大栄丸でイサキ釣り
梅雨の晴れ間で、海上はナギ。時折、ウグイスのさえずりが聞こえてくる。新緑萌える丘陵に沿って北上、航程20分でスローダウン。
潮回りの間に、ビシカゴにアミコマセを詰める。下窓は全閉、上窓は3分の1開ける。エサのイカ短をハリに付けてスタンバイ。
すぐに反応をとらえると「はい、いいですよ。タナは18m、海面からビシの位置までです。」と分かりやすい指示で開始。
セオリー通りの釣り方で
まずはセオリーどおりの釣法で様子をみる。
1:水深20mでストップしたら、3秒ほど仕掛けを潮にナジませる
2:ちょこんとソフトにシャクり上げ、竿先を海面に戻しながらリール2回転巻き取る
3:ふたたびシャクる
1~3をくり返しながらタナに合わせてアタリを待つ。5~6秒ポーズをとってもアタリがなければ、また2m下からコマセを振る。
3往復したら回収してコマセを詰め替える。
ヒットするも単発掛けのみ
2投目。クッ、キューンとイサキ特有のシャープなアタリがくる。
聞きアワせてハリ掛かりを確信。
そのままの位置で追い食いを待つが、反応は増えない。あきらめて巻き上げにはいると、仲間を連れて来られなかった22cmが申し訳なさそうに上がって来た。
「つぎこそは一荷だ!」と気合を込めて再投入。すぐにアタリはくるが、今回も追い食いの気配はない。
「こうなったら1尾1尾、確実に取り込もう!」と、気を引き締めるが、潮の流れは速く、1流し1投入のペースではイマイチ数が伸びない。船長は「単発掛けでは数が伸びませんね。別の場所を狙いましょう。」と5分ほど移動。
第2ステージは、少し沖に出た場所へ移動。
移動でダブル&トリプル連発!
投入して、下からコマセを振る最中に、クックッと小気味いい反応。
そこで待っていると引き込みに力強さが加わり「間違いなく追い食いした」と確信。
力強い引き込みを竿の胴の弾力で受け止めて、楽しみながらゆっくり巻き上げる。サキイトが見えたところで竿を立てて引き寄せ、ビシはコマセオケに入れる。
ミキイトをたぐると、澄み気味の海中から黄褐色の魚影が3つ、ヒラを打ちながら上がってくる。十分に引き付けて、腕を目いっぱい伸ばし、魚に近いところをつかんで中型3点掛けを取り込んだ。
船長のポイント選びは的中、投入のたびにダブル、トリプルで上がり続ける。
相変わらず潮は速く、ひと流し1投入のペースだが、魚を外してエサを付け替える間に船を流し直してくれる。まったく手を休める間がないほど順調で、アッと言う間にクーラーは埋まっていく。
タナを上げてサイズアップ
上がる魚が中~小型主体だと見た船長は「タナをもう1~2m上げてみては」のアドバイス。
もっとも魚影が濃いところをタナ指示される。サイズにこだわらず数を狙うなら忠実にタナを守ればいい。しかし、次はタナを上げてサイズアップを狙ってみる。
すぐにアタリは現れない。
その位置で竿先をチョコンとソフトに振り、粘り強く誘っていると、グッグイッとダイナミックな引き込みがくる。ゆっくり巻き上げると次第に重さが加わる。
期待どおり魚影が二つ、見え隠れしながら上がってきた。
慎重にたぐり、30cm超えをダブルで抜き上げるが、真ん中のハリスは切られている。これを見て、ミキイトと枝スを1.7号に太くするが、澄み潮にも関わらずアタリは途切れない。
最後は39.5cm自己記録更新!
つぎの流しではこれまで経験したことがないほど強い引き込みがきて、竿先が海面に接する。強烈な引き込みが訪れるたびに竿先を送って、懸命にしのぐ。やがて目を見張るほど大きな黒い魚影が上がってきた。
十分に引き寄せ、意を決してソーッと抜き上げたのは39.5cmの特大。自己新記録だ!
その後もまったく切れ間なく食い続け、規定数50尾を達成したところで沖上がり。まだ9時前だったが、船長に礼を言って、沖上がりした。
小湊沖の魚影は抜群に濃く、随所に好ポイントが点在している。持ち帰った魚の腹を裂いてみると、まだ卵を持ち始めたばかり。
梅雨~初夏の旬はまだこれからだ。好場所を知り尽くした船長の案内で、イサキのシャープな引き込みを思う存分楽しんではいかがだろうか。
<週刊つりニュース関東版 APC・大村隆 /TSURINEWS編>
▼この船について
大栄丸
エリア:南房エリア
出船港:小湊港