梅雨の晴れ間になった6月後半の日曜日。埼玉県さいたま市南区にある別所沼公園にテナガエビの様子を見に出かけた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦)
別所沼公園の様子
9時すぎ、公園に到着。水辺の木陰では大勢の人が竿を出している。マブナやクチボソ狙いが多く、エビ専門に狙っている人は見当たらない。
クチボソは親子連れにもよく掛かって、魚影は濃いようだ。
ポイントウォッチングを終えたあと、人ごみを避けて、東岸の乱杭が多い岸辺で竿を出す。
当日のタックルと仕掛け
タックルは1.5mのノベ竿にミチイト0.6号を竿いっぱいに結ぶ。
ハリはタナゴバリで、つり具すがも特製のテトロンハリス付き極(きわめ)金バリをチチワ結びでミチイトに接続。ウキは発泡中通しウキ6mmを3個ヨウジ止め、すべてのウキがゆっくりと沈む量の板オモリを中通し状にゆるく巻く。
エサはベニサシ1匹の通し刺し。ウキのトップは水面下10cmくらいになるようにウキ下を調整。
抱卵した5cmメスがヒット!
水量は多めで水色は笹濁り。ポイントの杭は水中に沈んで見える。釣りの条件としては申しぶんない。
水深80cm、列状の杭の外側にエサを落とすと、早くも2投目でアタリ。しかし、ウキを浮上させるシグナルは本命ではない。アワせると鈍い引きで7cmのクチボソが登場。イブシ銀の婚姻色が美しいオスだ。
ウキが動かなくなったので、仕掛けを前後左右に動かして誘う。すると5分くらいで反応がでる。沖に向かってモゾモゾとゆっくりと移動したあと、ズルズルと水中深く消えていく。
ここでミチイトを軽く張って竿をゆっくりと上下させると、ググッとした感触が手元に伝わる。静かに竿を上げると尻尾をパタパタさせながら鉛色をした体長5cmのエビが上がってきた。ハサミが短いメスで、抱卵している。しっかりとハリ掛かりしているためピンセットを使用してていねいにハリを外した。
杭の間から15cmオス
アタリがでたポイントを集中的に攻めると、すぐにウキが動いて同型のメスがぽつぽつ。ハサミが長いオスを期待して粘るが、小型が多いようで、ハリ掛かりしても水面で落ちてしまうことがあった。
10時ごろから風が吹き始め、水面は白波状態に。そこで、極ヘチの杭の間を探ってみる。
水深はやや深く1m。杭際にエサを落とすと、ナジんだウキを上下動させるアタリ。様子をうかがうと、ヘチに向かって移動して護岸際で止まる。
「そろそろアワセのタイミングだ」と思い、静かに竿を立てるとコツコツとした感触。竿から重みが伝わり、完全にハリ掛かりしたことが分かる。
引き味がよく、ズリッ、ズリッとしたエビバックを楽しみながら静かに抜き上げると大きなハサミを振りあげて、体長8cm、ハサミを含めると全長15cmのオスが躍りでる。脱皮したばかりのようで、透き通った体が美しい。