サビキで釣れる豆アジやイワシなどは大衆的な魚の代表格だが、今を盛りと釣れている小物たちもちょっとした工夫で、食卓を賑やかにしてくれ、おもてなしにも使える。今回は、アジ&イワシを使った7つの料理を紹介だ。たくさん釣れたら、いろいろと試してみよう!
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
アジとイワシの下処理
家族で出かけてサビキで釣ってきた大量の豆アジやイワシの処理に疲れ切った方もいるはず。それでも、やっぱりアジやイワシは美味しいし、きっちりと料理すれば小骨も少ないから、子どもさんもパクパク!
そんな料理の前に、ちょっと豆アジの下処理をレクチャー。実はイワシや豆アジの下処理、特に内臓を抜くのには包丁は不要だ。
イワシの場合
イワシの場合は非常に簡単で、指で頭を取って腹側から指の先を入れて背骨の横へ指を突っ込むだけで、骨と身が離れるから、そのまま包丁で2枚に下ろすように指で骨と身を離す。尻尾の方へそのまま指を持っていくと簡単に開けてしまう。この開き方だと骨の塊と身の塊がきれいに分かれるので後で骨抜きの作業は要らないのだ。
アジの場合
アジは、両側のエラブタを開いて親指と人差し指でエラをつまむように指を差し込み、エラと胸びれ部分を摘んで引きちぎるように尻尾側へ引っ張ると、エラ、胸びれの硬い部分、そして内臓が繋がって取れる。
後は水洗いして、ゼイゴが不要な場合は包丁でこそげ取る。さらに開く場合は、腹側から包丁を入れて2枚に開くとOK。下処理自体、包丁を使わなくてよければ、釣り場でも簡単にできるのでお試しあれ。
1.アジの山河焼き
<材料>
・アジ(大きさ不問)
・白ネギ、しょうが
・梅肉
・ミョウガ
・味噌
・大葉
簡単にいうと「なめろう」に火を通したもので、生のなめろうが苦手な人にも、梅やミョウガの香り付けで絶品に仕上がるぞ。まずはアジを3枚に下ろして、ゼイゴ、中骨を取り除き、皮を手で剥がしてから包丁でたたく。
なめろうの味付け同様、味噌少々とショウガ、白ネギをみじん切りにして混ぜ込む。包丁でたたいているとすぐに粘りが出てくるとなめろうのできあがり。これをハンバーグのような形にして大葉で巻く。2つ折りの大葉から実がはみ出ない程度にするのがコツ。
これをゴマ油を引いたフライパンで焼く。弱火でフタをしてしっかりと中まで火を通したらできあがり。梅肉とミョウガの千切りをお好みで乗せていただく。
2.アジの南蛮漬け
<材料>
・アジ(10cmまでがベスト)
・玉ねぎ(ピーマンやニンジンも)
・片栗粉
・しょうゆ、みりん、酢
・鷹の爪
豆アジの場合は、指でエラと内臓を取って洗えば下処理は終了。まず、南蛮漬けのタレを作っておく。しょうゆ、みりん、酢を1:1:1の割合で混ぜて、タッパーなどに入れておく。タレにはあらかじめ、玉ねぎスライスと、ピーマン、ニンジンの千切りも入れておくといい。
アジに片栗粉をまぶして揚げ油で揚げたら、揚げたてのアジを南蛮漬けのタレに浸けていく。アジをタレに浸ける時は、ちゅうちょせず「ジューッ」と音がするくらい素早く入れよう。
揚げたアジを入れていくと、どんどんと酢の成分が飛び、酸味が少なくなり、甘酸っぱくなる。と同時に、片栗粉によってとろみが出てくる。そのままタッパーで浸けておき、すぐにでも食べられるが、1、2日すると骨も軟らかくなって違和感なく食べられる。
3.イワシの天ぷら
<材料>
・イワシ(サイズにより調理法をかえる)
・小麦粉
・玉子
・大葉
大きめのイワシは開いて内臓を取り水分をふき取る。容器に小麦粉、氷、玉子を入れて天ぷらの衣を作る。開いたイワシの片面に大葉を乗せて、そのまま外れないように衣を付けて揚げる。
小さいイワシは、開かずに内臓を指で取ったら、そのまま丸ごと天ぷらの衣を付けて揚げるだけ。骨が気になるようなら2度揚げするといい。梅肉を添えて食べても絶品。
4.イワシのマリネ
<材料>
・イワシ
・玉ねぎ、ニンジン、トマト
・オリーブ油(50cc)
・酢(50cc)
・砂糖(小さじ1杯)
・塩(少々)
玉ねぎはスライスして水にさらしてからザルに上げておく。ニンジンは少し湯通ししてからザルに上げておく。オリーブ油、酢、砂糖、塩を混ぜてマリネ液を作っておく。
イワシは指で開いて骨を抜き、お皿やバットに並べたら、上から玉ねぎ、ニンジンをかぶせて、マリネ液をかけて、全体に液が回るようにしてから冷蔵庫で数時間冷やすとOK。食べる時はトマトなども添えていただく。マリネ液のかわりに、市販のイタリアンドレッシングを使ってもOK。
5.イワシの甘露煮
<材料>
イワシ(小さめが作りやすい)
・酒
・砂糖
・醤油
・みりん
・ショウガ(千切り)
いわば、水を使わないイワシの煮付けだが、水を使わないのでその分日持ちするし、しっかりと身が締まって濃い味付けがたまらない。小さめのイワシを使うことで圧力鍋を使わなくても骨まで十分に食べられる。
調理方法は至って簡単。イワシの頭、内臓を指で取って、水を切り、酒、砂糖、醤油、みりんを同じ割合で入れたタレの中で煮る。注意点としては、あまり沸騰させず、あくまでも弱火でじっくりと煮詰めること。酒などの水分が飛べばできあがり。砂糖のかわりに水飴を少量入れると照りが出てさらに美味しくなる。
6.イワシのみりん干し
<材料>
・イワシ
・みりん
・砂糖
・しょうゆ
・ゴマ
干し網が必要となるが、作ってしまえば冷蔵庫で保存も利くので、大量に釣れた時は大量生産する。また、丸干しでもいいが、焼く時に焦げやすいので、開いて身を薄くした方が絶対にうまくいく。
まずはタレを作る。醤油30gにみりん20g、砂糖小さじ1~3杯の割合で作る。砂糖の量で少し甘めに仕上がるか、醤油の味がしっかりしたものになるか調整できる。砂糖を入れすぎると焦げやすいみりん干しができあがるので注意。
タッパーなどにイワシを敷いて、タレを掛ける。ジップロックなどに入れて空気を抜く事でしっかりとイワシにタレを染みこませる事ができる。タッパーの場合はイワシが完全にタレに浸かってなければ時折、ひっくり返してまんべんなくタレがイワシに染みこむようにする。
30分ほど浸けたら、少しタレを切るようにしながら干し網に並べていく。この時、タレが下に落ちるので、新聞紙などを敷いておくのを忘れずに。実際にはイワシの身を並べる時に、ゴマを身側に振りかけるとOK。
水分が飛んでしまえばできあがりなので、そのまま冷蔵庫で保存する。開いて身が薄くなったみりん干しはさっと炙るだけで十分。
7.イワシピザ
<材料>
・イワシ(大きめがいい)
・ピーマン、トマト
・ピザ用チーズ
・パン粉
・バジル
・ピザソース
ピザ生地のかわりにイワシを敷いて作ったイワシピザは味が濃厚で、ビールやワインの肴に最高の一品。おもてなし料理にもなる。
大きめのイワシを指で開き、骨も取る。イワシの皮面にパン粉を付けて身側にピザソース、ピーマン(輪切り)、チーズを乗せ、オリーブ油を少し振りかける。チーズがトロリと溶けて焼き目が少し付くくらいでOK。
小さなフライパンでフタができるならそのまま弱火で、なければアルミホイルにイワシを並べてオーブン、トースターで焼いてもOK。
イワシやアジは非常に、自身の持つ味が濃厚なため、素材を生かした料理から、アレンジまで幅広く楽しめる。魚自身も小さいので、お子さんと一緒に作るのもオススメだ。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>