梅雨入りするころの初夏より、イカダ&カセから狙うカカリ釣りクロダイでは、産卵後の食い渋りからいよいよ盛期へと突入する。しかし、クロダイだけでなくエサ取りも元気になるこのシーズン、どのように釣りを組み立てていけばクロダイに出会えるチャンスが増えるのかを解説していきたい。
エサのローテション
朝一番からクロダイが釣れると申し分ないのだが、なかなかそのようにうまくはいかない。
まず魚が寄るまでは手返し良く打ち返す。魚が寄りだしたら、そこからが本番だ。
この時期はいろいろな種類のエサ取りが邪魔をしてきて、なかなかクロダイの口までエサが届かないことも多々ある。そのような場合どのように対処していくかだが、まずはエサのローテーションだろう。
オキアミやシラサエビだと、アタリもなくエサ取りに取られ続けて釣りにならないこともある。そのようなときに出番となるのがサナギ、コーン、アケミ丸貝だ。
しかし、これらのエサをいきなり使ってもアタリすら出ないというシチュエーションもあるので、朝からダンゴに少しずつアンコにしてポイントを作っておこう。
ボラの存在
エサ取りに有効なのがボラ。群れで回遊してダンゴを突きだすと、周りの小魚たちが遠巻きになっていき、クロダイが捕食する間を作ってくれる。
特に夏場、ボラは必要な存在だ。
だが、ボラが寄るほど釣れるのがボラばかり、なんて経験はないだろうか。
ボラが寄れば、ラインにすれてスレアタリが穂先に出てしまう。それを本命のアタリと間違えアワせてしまい、せっかく作ったポイントを台無しにしてしまうこともある。
できる限りボラを掛けないアタリの見分け方だが、スレアタリの場合、ラインに魚体がすれているだけなのでフワフワとした軽いアタリが続き、穂先がすぐ元の位置に戻る。
ダンゴが割れ、すぐにでもそのようなアタリが続いたりもするが、そこで慌ててアワせないようにしよう。
クロダイのアタリ
クロダイのアタリだが、居食いの場合は別だが、基本的には力強くて大きなアタリが多い。
大きな口でエサを捕食してパワーで反転したりするので、しっかり穂先が入って元の位置に戻ってこないアタリで積極的にアワせていこう。
とにかく焦りは禁物だ。クロダイがエサをのみ込むまで待っていく気持ちでいたらバラシも減り、結果的には釣果にもつながっていくのではないだろうか。
そして、いよいよクロダイのアタリが穂先に。
大体の場合、クロダイは一気に捕食するというよりも一度突いたり、かんだりして吸い込むことが多く、コツッとした節のある前アタリがあり、それから本アタリが出る。
前アタリを見逃さず、しっかり待ってから本アタリでアワせよう。
やり取り
本アタリが出たら、迷うことなくアワセを入れてしっかりフッキングして、その後は丁寧にランディングまで持ち込む。
やり取りも、無理してしまうとラインブレイクの原因となってしまうので、慌てず丁寧に、楽しむぐらいの気持ちでランディングまで持ち込むようにしよう。
夏は暑さ対策も重要
いろいろ解説してきたが、これからイカダ&カセで狙うカカリ釣りのクロダイを始めようと思っている人、または始めたばかりでよく分からないという人には、ぜひ参考にしてもらいたい。
これから日ごとに気温も上がるので、暑さ対策も重要。
せっかくの休日、楽しいはずの釣りが体調を悪くしたら台無しになる。水分を多めに取り、パラソルなどを持参するなど、熱中症対策も万全にして釣行しよう!!
<週刊つりニュース中部版 橋本 直/TSURINEWS編>